ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.11.05

ロックな高校生リターンズ(第2話)

 「おい、オグラ、傾向と対策、もうそろそろ出るぞ。」
「蛍光灯大作?なんじゃそら。」
 それにしても高3になって、ベースのOの奴は変わった。
 こないだまでは、口を開くと
「フェンダーのな、ベックとかクラプトンの持ってるストラトはヘッドが小さいんだ。
オールドなんだぜ。リッチーやジミヘンのは、現行タイプなんだ。」
とか
「今度クリエイションに参加したフェリックス・パパラルディは元マウンテンなんだけど
クリームのマネージメントやってて、4人目のクリームと呼ばれてたんだぜ。」
とか
「ジェフ・ベックが邑楽村でレコーディングしたアルバムはなんでしょう、答えベック・オラ、なんちゃって。」
なんて、ロックの話しかしなかったのに、
高3になったとたん
「おい、オグラ、『ラ講』始めた?」
「何、ラコウって?」
「旺文社のラジオ講座だよ。文化放送で11時半から12時半まで。」
「あー、オレ12時半からのセイ・ヤングから聴いてた。」
あわててテキストを買いに行って、5月から聴き始めました。
(ちなみにラ講の前、午後11時からは『ハリスの100万人の英語』をやってました。)
 また、
「おい、オグラ、デル単、もう買った?」
「何だ、デルタン?」
「試験に出る英単語だよ,青春出版だよ。赤尾の豆単なんか、もうだめだぜ。」
「いや、俺、豆単も持ってないけど・・・。」
 「試験に出る英単語」は英単語が出題頻度順に載っていて、やったとこまで役立つという
画期的な本だった。
それまでは旺文社の「赤尾の豆単」というのが受験生のバイブルだったわけだが
単語がABC順なのでアルファベットの後半の単語ほど記憶があいまいになるという欠点があった。
豆単では、
最初の単語は
「a:不定冠詞、(意)一つの~、一人の~、ある~」
で、これは、すぐ覚えられるんだけど、2つ目の単語が
「abandon:動詞、(意)やめる、すてる、あきらめる」
なので、ここでかなりの人があきらめてしまう、という指摘があったりする。
 ともかく、Oの奴、ロック小僧があっという間に、熱血受験生になっちゃったのだ。
Nちゃんとうまく行かなかったので、勉強の鬼となったのか。
でも、情報通なとこはロック、受験勉強を問わず相変わらずで、
受験勉強オンチの私はずいぶんと助けられました。
 「O、お前勉強家になったなー。」
「当たり前じゃん、ギターのEなんて、もうギターをケースにしまってカギかけて
来年の春まで、弾かないらしいぜ。」
「何、マジかよー。」
「おお、んでロックのレコードも、聴かないって。」
「ロックのレコードも!じゃあ、片平なぎさは?」
「それは、たまに聴くらしい。」
「なんじゃ、そりゃー。」
 まあ、バンドは、もうできないなー。
でも、オレはレコード聴いちゃうもんね、ギターも気分転換ならいいじゃん。
などと思いつつ勉強の合間、ロック仲間とレコードの貸し借りは続けていた。

2件のコメント
2008.11.05

ロックな高校生リターンズ(第1話)

 
さて、先日「ロックな高校生」として、私が高校2年生の時のバンド活動を
ほぼ実話で、小説化しました。
これが(一部の読者に)かなりウケたので、
今回、その続編として、私の高校3年生の時の出来事を、ノン・フィクション・ノベラライズしてみます。
その後の、ロックな高校生の活躍に、ご期待ください。
我々、「アースバウンド」のメンバーは、3年生になっていた。
 その後バンドは、練習もしてない。
 受験かー。そろそろ勉強もちゃんとやんねーとなー。
そんな、ある日ギターのEが、俺と、ベースのOのいる5組の教室まで来て声をかけた。
「放送部の部長のOの奴がさー、俺たちにDJやってくれっていうんだよー。」
「何、ディスク・ジョッキー?どこで?」
「お昼の校内放送。」
「何だ、校内放送かよ、でも、おもしれー、やるか。」
 ロック・ボックスが終わって、我々はちょっとした有名人だった。
運動部もあまり盛んでない、進学校では、バンドやって市民会館出たなんて、前代未聞である。
 んで、お昼の校内放送、それまではどーでもいーよーな
イージーリスニングや映画音楽なんかがかかってたのだ。
それも、日替わりランチのようなメニューの少なさで
毎週毎週同じ曲。
ポール・モーリアとレイモン・ルフェーブルとカラべり・オーケストラのヘビーローテーションだった。
 当時は、深夜放送なんかの全盛期でラジオはみんな聞いてた。
DJというのは、今みたいにレコードをシャカシャカするヒトのことではなくて
軽快なおしゃべりに乗せてかっこいい曲をかけるヒトのことで
結構あこがれたもんだ。
 「番組のタイトルはどうする?」
 「ロック・ジョッキーは?」
 「ダセーよ、まんまじゃん。」
 「なんか、ロックのさ、曲のタイトルからとらない?」
 「お、いいねー、そーしよう。何かいいのあるかなー?」
 「”天国への階段”は?」
 「バカ、それじゃ、お悔やみコーナーみてえじゃねえか。」
 「”21世紀の精神異常者”は?」
 「そりゃ、さすがにやべーだろ。皆さん、お待たせしました、
  21世紀の精神異常者です、なんて。やっぱ、英語のタイトルがいいな。」
 「じゃあ”ブラック・ナイト”。」
 「あのなー、真っ昼間の校内放送だぞ。何でブラック・ナイトなんじゃ。」
 「うーん、”ロック・ステディ”は?」
 「おー、いいねー、それっぽい、それでいこー。」
 というわけで、番組タイトルは私の意見が通ってバッドカンパニーの曲から
「ロック・ステディ」に決定。
番組テーマはレッド・ツェッペリンの「ロックン・ロール」に決まった。
 かくして、記念すべきロックステディの一回目、われわれ3人は放送室に集まった。
「おい、部長、職員室は、切っとけよ。」
「あー、わかったわかった。」
 さて、テーマソングの「ロックン・ロール」のドラムのイントロが始まる。
 
”ずだだ、ずだだ、ずだ、ずだ、ずだだだずだだ(感じ、伝わってる?)”
「こーんにちはー、ローック・ステディーの時間でーす。カッコいいロックの曲を
ガンガンかけますよっ。」
「それでは、最初の曲、ツェッペリン待望のニューアルバム、”プレゼンス”から
”アキレス最後の戦い”、いってみよー。どうぞー。」
(何か、今や書いてても恥ずかしいが・・・。)
そこで部長にキューを出して曲に入る。
曲になると、ホット一息。
「お、いいじゃんいいじゃん。」
「気持ちいいな、DJも。」
「何か、プロっぽいよな。」
(若者は、怖いもの知らずである。)
で、曲を聞いてると、放送室のドアをノックする音。
誰かと思ったら、数学のN先生。
「(栃木弁で読んでください)もしもーし、職員室はー、すまんが音、しぼってくださいー。」
「えっ、ハイ、いや・・・、おい部長、だって職員室は・・・。」
「ああー、まじい、ボリューム、逆に10になってるー。」
一同「す、すいませんでしたー。」
 そんなこんなで、出鼻をくじかれたロック・ステディは程なく、打ち切りとなってしまった。
まあ、優しいN先生でよかった。同じ数学でもK先生なら、どやされてたなー。
(ちなみにN先生は、現在市内で内科小児科を開業しているN先生のお父上で、
私、この当時このお父上の塾で数学教わってたのだ。)
 しかし、あー、やっぱ、DJよりバンドやりてーなー。
俺たちは、そんな思いにかられるのだった。

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