ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.08.21

タバコとF1

 タバコに対する、社会情勢は、最近大きく変化してるといえます。
 公共の場所での、喫煙はどんどん制限されてきています。
 それはWHO(世界保健機構)の「タバコ規制枠組み条約」を、わが国が批准したからです。
これは、タバコによる健康被害を防ぐこと、
特に受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る、ということが重視されています。
 それに伴い、喫煙場所の制限と、タバコ広告に対する規制が進められているわけです。
 これは、とてもいいことです。
 私もタバコやめて10年ですし、禁煙外来もやってます。
一人でも多くの人に、タバコの害を知ってやめてもらいたいと思います。
 ただ、ひとつだけ困ったことがあるんだなー。
 私、ホームページにもあるようにF1は子供の頃から好きで、
F1マシンのプラスチックモデルもよく作ります。
 ご存知の方も多いと思いますが、F1のスポンサーはタバコメーカーがとても多い。
 私が、F1に興味を持った頃は、まだマシンはナショナルカラーといって
国別に色が決まっていました。
イギリス[emoji:v-501]はグリーン、イタリア[emoji:v-500]は赤、フランス[emoji:v-498]は青、ドイツ[emoji:v-499]は銀でした。
今でも市販車ではイギリス車の「ミニ」や「レンジローバー」は緑が多く、
イタリア車の「フェラーリ」、「アルファロメオ」は赤が多いし、
メルセデスはシルバーが圧倒的に多いのは、このためです。
 ちなみに日本から参戦したホンダの本田宗一郎はマシンを金色にしたかったのですが
金色は南アフリカとすでに決まっていたので、白のマシンになったというエピソードがあります。
(そのため、私のホンダS2000は白なのだ。[emoji:v-496])
 初めてスポンサーカラーを採用したのはロータス49Bフォード。
1968年に、マシンはそれまでのブリティッシュ・グリーンから
一転してゴールドリーフタバコの赤と金に塗られていた。
 これです。
HillGraham19690801Lotus-Nordkehre[1]_ks
 
 これが、かっこよかったんですよ。
当時9歳の私は、ぐぐっと来ましたねー。
 以来、多くのタバコメーカーが走る広告塔としてF1マシンを彩ってきたのでした。
 ところが、1990年以降タバコ広告の規制によって、
まず、プラモデルからタバコロゴのデカールが消えました。
 実物の車には書いてあるのにキットには入ってないんです。
せっかく作っても、実物と違うし、何しろロゴの部分が抜けてるので、カッコ悪い。
子供への影響を考えての措置でしょうが、うーん、困ったって感じ。
 そのうち、実際のレースでも国によってスポンサーロゴが禁止になりました。
最初はイギリスGP,フランスGP。続いてヨーロッパ諸国も順次禁止になりました。
 日本やブラジルは最後までOKでしたが、最近はアジア、中東でもダメみたいです。
 だから、最近のマシンについてはモケイと実車のカラーリングの差はないわけですが、
昔の車を作る時に困るわけです。
 海賊版的に売られている、高い別売デカールを買ったり、自作しなきゃならないので大変です。
 最近作った、1/12のマクラーレンM23。1976年のマシンです。
もともとは1974年のヤードレー化粧品の仕様のキットを、マールボロ仕様にするので、
ボディの吸気口を塞いだり、ボディカウルを延長したりいろいろ改造が必要でした。
ちなみにバックミラーはボールペンのキャップを使いました。
P8210069_ks.jpg
 タバコはダメだけど、でも、タバコロゴはあったほうがカッコいいよねー。
でも、そういう価値観じゃ、ダメなのか・・・。

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2008.08.21

禁煙の秘策

 20日の夜は、禁煙治療の講演会に行ってきました。
 新しい、禁煙治療薬が出たのでそれに関連する講演会です。
キリン・チャレンジ「日本対ウルグアイ」は、録画で後で見ればいいやー、と出かけました。
(後で見て、がっかりしたけど・・・。)
 講演自体は、目新しいニュースはなかったんですけど、
んー、禁煙治療、がんばらねば、と思うところがありました。
 今日の講演では出なかった話題ですが、
禁煙治療は、今後、予防医療がメインになってくると思います。
 喫煙が「病気」である以上、予防医療は最も本質的、根源的治療であるわけです。
 特に、今日の講演でもありましたが、
日本では中高年の喫煙率は、特に男性では、かなり減少傾向にあります。
 一方、若者や女性の喫煙率は、増加しています。
 禁煙が進まないのは、ニコチン依存症の治療が困難だからですが
最初からタバコを吸わなければ、依存も何もないわけです。
 だから、新たな喫煙者を抑制することが、一番大事なことだと思います。
 さて、それには、どうすればいいか。
 実は、私は答えを知ってます。(おおー!)
 若者に、子供のうちから「タバコを吸うこと=カッコ悪いこと」というイメージを植えつける事です。
 若者がタバコを吸うのは
タバコを吸う⇒大人である⇒カッコいい
という、流れから始まることが多いと思います。
 ガキは、早く大人になって周りと差をつけたいもの、
オレなんか、もうタバコ吸ってんだもんねー、オメーらガキじゃん。
と、言いたい、思われたい。
 だから若者に、喫煙の健康に及ぼす影響なんか説明したところで
たいした効果はありません。
 かく言う、私もそうでした。
「もう、タバコくらい吸えるもんね。大人ですから。」
と、タバコに手を出したのでした。
健康に良くない事なんか百も承知です。
最初はケムくて、うまくなかったし・・・。
 しかも、かつては映画やテレビドラマで、俳優たちがかっこよくタバコを吸ってたわけだ。
スティーブ・マックウィーンとかクリント・イーストウッドとか
「太陽にほえろ」(もちろんカッコいいのはボスじゃなくってジーパンだよ)とか。
ポパイだってパイプ吸ってたし、エイトマンのピンチの時に吸う「強化剤」はタバコ型だった。
(ちと、古いっすね。)
 だから今度は逆に
タバコを吸う⇒ガキっぽい、ダサい⇒カッコ悪い
という、方程式を若者に植えつけることが出来れば
喫煙率は劇的に減ります。
 やっぱ、テレビドラマとかで、キムタクあたりがそーゆー役をやるべきだ。
もちろん、キムタクだけでなく、他の若者に影響力のある男優、女優が
コトあるごとに、タバコ嫌いのヒーロー、ヒロインを演じる。
 もちろん、洋画も影響力が大きいので、ジョニー・デップやキャメロン・ディアスにもやってもらう。
 ここで、大事なことは、それをメインにすえないこと。
あー、大人が、説教してるなーと気づけば、若者にはかえって逆効果だったりする。
だから、政府広報みたいに「タバコは健康に良くないので、やめましょう。」
とか「未成年の喫煙は法律で禁じられています。」
などと、カメラに面と向かって棒読みされても全然ダメ。(特にスポーツ選手とかが)
 全然カンケーないストーリーの中で、タバコ吸うイヤな奴が出てきて
タバコ嫌いの主人公と敵対して
自然と、タバコに対する「負のイメージ」が視聴者に定着するようにするわけだ。
 SFでもアドベンチャーでもラブ・ストーリーでも学園モノでも刑事ドラマでも。
みんな、そーゆーのが(本筋とは無関係に)チラッと盛り込まれてる。
一種の「サブリミナル効果」ですね。
 キムタクがドラマで着たシャツとか、つけてた腕時計とかが急に大人気になっちゃう事態を見ると
これは、効果あると思いますよ。ロレックスのエクスプローラⅠは品薄、価格は高騰しましたね。
 そーいえば映画「スピード」でキアヌ・リーブスがつけてたGショックもブレイクしましたよねー。
 この方法、絶対いいし、これしかないといってもいいくらい。
だって、我々世代が「タバコ⇒カッコいい大人」というイメージを植えつけられたのって
やっぱ、テレビや映画だったような気がするから、その逆をすればいいんじゃない?
 映画、テレビドラマ製作者の間で、こーゆー動きが広まればいいんだけど
でも、その辺の、いわゆる「ギョーカイの人たち」って、
結構ヘビー・スモーカーだったりするんだよねー。

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