ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.07.16

がんばれ忌野清志郎

 私が思う日本最高のロック・アーティストである忌野清志郎さんが
がんの再発を発表しました。
 2006年7月に喉頭がんが発見され、保存的療法でこれを克服し、今年2月に
完全復活ライブを行いました。
 しかし、今回、腸骨に転移が発見され再び闘病生活に入ったとのことです。
 うーん、骨転移は厳しいですね。
 喉頭がんは耳鼻咽喉科のがんとしては、最も頻度の高いもので
年間8000人程度発生するといわれています。
 男性に多く、喫煙との関係は肺がんなどに比べはるかに深い。
タバコを吸わない人はまずかからない、といってもいい位です。
 元ビートルズのジョージ・ハリスンは、喉頭がんから遠隔転移を起こし亡くなりました。
ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツや、ロッド・スチュワートも喉頭がんだったようです。
治療は、手術、放射線、化学療法(いわゆる抗がん剤)などを、
単独あるいは組み合わせて行います。
 忌野氏は手術では歌手としての命である「声」を失ってしまいますから、保存的療法を選択されたのでしょう。
 声帯のどこに出来るかによって違いますが、この間テレビで聞いたときは
声はほとんど問題なかったので、原発巣は、ほぼ完全に制御されてたと思われます。
 遠隔転移は、肺や骨に多いですが、転移したということは進行がんである、ということです。
 私自身も耳鼻科医として、数多くの喉頭がんの患者さんを、発見したり、治療したりしてきましたが
進行がんの治療はかなり困難です。
 忌野氏自身の「ブルースはまだまだ続くということだ。」
という前向きなコメント、ホントにすばらしいと思います。
 私は学生時代から、忌野清志郎さんのファンで
曲もさることながら、言動や生き方にも大いに感服しています。
彼が率いていたRCサクセションの「雨上がりの夜空に」は
私の大学時代のバンドがダンス・パーティーで演奏する時の
最後を飾る最重要ナンバーでした。
   どうしたんだ、ヘイヘイベイベー、バッテリーはビンビンだぜ。
  いつものようにキメて、ブッ飛ばそうぜ。
 何とか、がんを克服し、また我々の前に戻ってくれる日が来ることを心から祈っております。

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