2008.05.20
今日は、朝から天気が大荒れです[emoji:v-279]。
一方、そのため外来は平穏です。
よかった、今日はオペがあるのじゃ。すいてて好都合[emoji:v-290]。
本日は「後鼻孔(こうびこう)ポリープ」の鼻内手術です。
「後鼻孔ポリープ」とは、いわゆる鼻茸といわれるものが、
鼻の後ろの穴のほうまで大きくなって、塞がっちゃった状態、ってとこですかね。
患者さんの症状は、鼻づまり(それもかなりひどい)です。
今日の方も、左鼻のポリープが鼻の後ろを回って右まで来ちゃってるので、
ゼンゼン鼻が通らない、って方でした。
最近は、内視鏡を使って手術します。
術前にも内視鏡で、検査をしますので、職員もみんな、「モノ」を見てるわけです。
「後鼻孔ポリープ」の手術は、時々ありますが
職員が注目するのは、
「前から出るか、口から出るか。」
です。
一般にこの手のポリープは大きいので、鼻の穴からは出ない場合があります。
そういう時には、
「口のほうに落ちますから、飲まないで出してくださいね。」
と、声をかけて切除します。
「はいっ、出してー。」
そーすると、口から小茄子見たいのが、べろっと出るわけです[emoji:e-437]。
一度注意したにもかかわらず、
「思わず、飲んじゃいました。ごちそう様でした。」
という人がいましたが、まあ飲んでもどうってことないんですけどね。
ただ、その時がっかりしたのは、職員です。
「どんな大きいのが取れるか。」
と、楽しみにしてるわけです。
看護婦さんも内視鏡の画面で見てるから様子はわかります。
「お、今度出るぞ、出るぞ。[emoji:e-414]」
という無言の期待とともに、私が鉗子でムリムリムリッと取り出すと、
これまた声にならない歓声が上がります[emoji:v-424]。
看護婦さんは患者さんに、
「ほらこんな大きいのが取れましたよ。これですっきりしますよー。」なんていいながら、自分の方がすっきりした気持ちになってる。
受付の子まで呼んで、見せてます。
患者さんはまだ手術中なので、そんなにすっきり感を味わってる余裕はないわけだ。
今日のは、まあ小さい方ですかねー。
大分、薬で小さくしましたし。
看護婦さんが
「しなびちゃいましたねー。」
と少しがっかりしてましたが、その方が患者さん楽なんだって。
「小茄子の煮浸し」って感じでした。
で、今日の方は副鼻腔に炎症がないので、回りの小さなポリープなんかを
マイクロデブリッダーでお掃除して、上顎洞自然孔をきれいにしておしまい。
マイクロデブリッダーってのは、ポリープを切除するシェーバーみたいなもんです。
前から欲しかったんだけど、ついに昨年買っちゃいました。
高い器械で、特別な点数が取れるワケじゃないんで利益は出ないんですけど
まあ、グレコでもいいんだけど、ギブソン買っちゃったーみたいな。
いや、うーん、ちょっと違うなー。
トンカツの付け合せのキャベツの千切りつくるのに包丁で刻んでもいいんだけど、
電動野菜カッターだと早くてきれいでおいしい、みたいな感じ[emoji:v-398]。
最後に鼻の中に軟膏のついたガーゼをつめます。
まあ、包帯の代わりみたいなもんです。
そーいえば、軟膏ガーゼについて忘れられない思い出があります。
以前病院に勤めてた頃、手術室で器械出しの看護婦さんに
「じゃ、最後ガーゼつめるから、軟膏のばして。」
「はーい。」
「出来たー?じゃあまずガーゼ8つ折りでちょーだい。」
「・・・・・。」(なんか苦労してやってる様子。)
「どーした。」
「先生、出来ませーん。」
「へっ、何で。」
「この大きさのガーゼ、小さくて8回も折りたためません。」
「[emoji:v-362][emoji:v-364]・・・・・。あのなー8つ折りってのは8回折るんじゃねーんだよ。
いいか、1回折ったら2つ折り、2回折ったのは4つ折り、3回折ったのを8つ折りってゆーの。」
こんな鼻に入れるガーゼ8回もたためるわけねーじゃん。[emoji:v-406]
2008.05.18
今週末は、イベントが目白押しでいそがしい。
ブログに書かなきゃいけないことがいっぱいあるが、書く時間が全然ない。
でもまずはこっからかな。あまり書きたくないけど[emoji:v-406]。
2008年J1第13節
浦和レッズ 2-3
ガンバ大阪 (埼玉スタジアム2002)
(前半 2-0)
(後半 1-2)
すいまっせん。私の集中力がかけてましたっ。
その後に控えた、バーベキュー大会と、オヤジバンド・フェスティバルのほうに気が奪われていた。
ギターの弦を張り替えながらテレビ見るんじゃなかったっす。
(スカパーの実況は私の大好きな倉敷さんだったんだけどね。)
まあ、浦和の選手も集中欠いてましたね。
前半ロスタイムの、あの、スローインからの失点はまずかった。[emoji:v-388]
ただ、主審があの
岡田ジャスティスということで、
浦和の選手がナーバスになってたってことはあるやも知れん。
奴のジャッジは問題多いからなー。
試合終了後にサポーター同士がもめたみたいですね。
最初は、ガンバ・サポーターが水風船をレッズ・サポのところに投げて
それが子供に当たったのが発端らしいですね。
現場の状況はわからんが、挑発に乗っちゃだめですね。ブーイングはいいけど乱暴はダメだよ[emoji:v-358]。
ま、とにかく応援に行った鈴木さんちはご苦労様でした。
とりあえず1位はキープしたままリーグは中断に入ったので、良しとしましょう。
私もこれからは、弦の張り替えはもっと早めにします。
しかし、日本代表に行って闘莉王と安田はダイジョブなんだろうか。
ディフェンスラインでけんかしてたりして。[emoji:e-263]
2008.05.16
昨日の学会で、聞いてきたことの中に「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」の話があります。
聞きなれない病名だけど、皮膚科の病気です。
手のひらや、足の裏に無菌性の膿疱が数多くでき、何年にもわたって続く、という病気です。
原因不明といわれてますが、この病気「慢性扁桃炎の病巣感染であることが多い、」
という事実が、古くから知られてます。
「病巣感染」とは何ぞや。[emoji:v-219]
「病巣感染」とは、体の一部分の限局的な慢性感染症が原因となって、
そことは別の、離れたところに炎症が起こる、というものです。
つまり、この場合は扁桃に常に感染があるために、手や足に膿疱ができる、ということです。
今回このことに関する詳細な研究発表がありました。
以前、私が大学にいた時分は、いろんな検査をして関連する疑いが強ければ、
扁桃腺を取る手術をする、って認識でした。
誘発テストなんていって、扁桃を大きな綿棒でごしごし5分間もこすり、
体温、白血球、血沈などのデータの変動を確認するという、
医者にとっても、患者にとってもうんざりする検査です。
また、これが、なかなかうまく陽性に出ない。[emoji:v-388]
最近の研究では、有効性が明らかなので中等症以上の掌蹠膿疱症であれば、
それだけで手術の適応、ということです。
ふーん、なるほど。
この病気、直接耳鼻科に来ることはまずないですが、以前病院に勤めてた頃は、
手術目的で、紹介され結構オペしました。
よくなりますよ。
実は、1年位前、ウチから一人病院に紹介して手術してもらいました。
そのかたは、耳の病気かなんかで来院した若い女性なのですが、
問診表の「いま経過観察中の病気」の欄に「掌蹠膿疱症」とあったのです。
話を聞くと、何年も悩んでいるようで、市内の皮膚科もほとんど回り、
最近は館林の方まで行ってたようです[emoji:v-292]。
その他、いろいろ民間療法も試したけど、もちろんうまく行かず。
で、これは扁桃腺との関係があることが多いよ。と説明し、手術を勧めました。
患者さんは
「そんなこと、初めて聞いた。[emoji:v-12]」
と、びっくりしてました。
えー皮膚科って、そーゆー説明しないのかなー[emoji:v-11]、と逆にこっちもびっくり。
耳の病気の方はすぐ治っちゃったので、病院に紹介し扁桃腺の手術をしてもらいました。
恐怖の誘発テストはやんなかったけど、血液検査や問診で「疑いあり」と診断したのです。
次に、またなんか別のことでウチにかかった時、掌蹠膿疱症の方がほとんどよくなっていたので
あー、よかったなー、[emoji:v-410]と思ったわけです。
今後は、もっと自信もって紹介できるぞ[emoji:v-218]。
しかも、大きな綿棒を2本も口の中に入れて、
げーげー言わせながら両側の扁桃腺を5分間もグリグリする
拷問のようなあの検査[emoji:v-40]、もなくなるか知らん。
2008.05.15
さて、かねてから告知のとおり、5月14~15日と日本耳鼻咽喉科学会総会に行ってきます。
最近、各診療科によって専門医制度が導入されています。
お医者さんの仕事が、近年専門化してきているため
より高度な知識や、最新の知見が要求されるようになって来ました[emoji:v-418][emoji:v-417][emoji:v-419]。
そのため、各学会が医師国家試験とは別に、専門医の試験を設定して、
その更新も一定の、ノルマを課しています。
耳鼻咽喉科の場合、医者になってから5年間、学会の指定を受けた病院で研修を積みます。
これこれの手術を何件(助手で何件、術者で何件)、何々の症例を何人、など細かく規定され
それを全部報告用紙に記載します。
その上で、推薦者(大体は所属する医局の教授)の許可が出ると受験資格が出来るわけです。
けっこー大変なんですよー。
試験は年一回東京で行われ1日目が、筆記試験。2日目が口頭試問です。
これが、緊張するんだ。
で、受かると「耳鼻咽喉科専門医」の資格が得られるわけです。
ただ、受かっても何か保険点数上有利になることはなく、
受からないと耳鼻科やっちゃいけないってわけではありません。
実際、専門医持ってなくて耳鼻咽喉科を開業してる先生もいるわけです。
ただ、まあ、この医者は一定の技術と知識、経験を持ってますよ、というお墨付きのようなもので
JASマークとか、原産地表示とか、遺伝子組み換え大豆を使っていません、みたいなものです。
(うーん、少し違うかなー。
でも、内科かなんかの専門医試験で研修記録を偽装した事件があったから、やっぱ、似てるかも)
しかし、その資格は5年ごとに更新が必要で、
そのために毎年一定以上学会に参加しなきゃダメよ、という決まりがあります。
IDカードがあって、それを学会に行った時、受付でピッとやってもらいます。
写真つきなので、替え玉、代返はダメです[emoji:v-358]。
まあ、その後学会聞かずにすぐ帰っちゃってもばれないのですが
大概は、まあ、聞いて行きますね。
大学病院にいた頃は、いろんなとこから最新の知見が入ってくるので、
学会なんかあまりまじめに聞かなかったのですが、
開業してからは、違いますねー。
開業医は、やはり情報が入りづらい。
やっぱり、医学は日々進歩してるので最新の情報に乗り遅れないよう、真剣に聞きます。
医療って「昨日の常識は、今日のタブー」なんてこともよくあるので、怖いです。
だから、もう、メモ取りながら一生懸命聞いてます。
逆に、ウチでやってるようなことと同じような発表があると
「やっぱ、あれで、よかったんだー。」とか
「おー結構、ウチ、ちゃんとやってるじゃん。」
なんて安心したりします。
まあ、専門医制度は学会の家元の資金稼ぎ、なんて言われ方をされることもあるようですが、
私としては、学会に行って勉強する大義名分が出来るので、いいことかなーと思ってます。
行った先で、おいしいもんも食えるし[emoji:e-291]。
今回は大阪なので、お好み焼き じゃー[emoji:v-330]。
2008.05.15
5月13日は、私の49回目(確か)の誕生日[emoji:v-384]です。
そして、ご存知の方も多いと思われますが、
当院の近くで薬局やってる小峰君も49歳になってるはずです。
何と、彼とは、生年月日が一緒です[emoji:v-363]
だから、私は星占いを信じません。[emoji:v-388]
そりゃ、そうでしょ。
「今日のあなたのラッキーカラーはピンクです。」
で、私がピンクの白衣で診療をして、
処方箋もって薬局行ったら、小峰のおじさんがピンクの水玉かなんかのネクタイしてたら
患者さんも、ちょっと引いちゃう。
「今日のあなたのラッキー・アイテムは子ネコです。」
で、私が子ネコのボールペンかなんかでカルテかいてて、
薬局に行ったら、小峰のおじさんがキティちゃんの着ぐるみ着て調剤してたら
不気味でしょ。
(そりゃ、ラッキーアイテムにかかわらずどんな場合でも不気味だ)
おまけに、彼とは幼稚園、小学校、中学校、高校まで同じです。
特に小学校3~6年生はクラスも一緒で、
中学校の3年間はサッカー部で一緒でした[emoji:e-219]。
(私がフォワードで、彼はディフェンダーで、しかもあれでキャプテンでした。)
これを腐れ縁とよばずに何とよぶ。
もう、発酵して糸引いてるかのようだ・・・[emoji:e-263]。
私が、本読むの好きだと書いたことがありますが、
彼の読書量も、昔からハンパじゃありません。
特に、政治、経済、歴史は、得意分野です。あまり薬学と関係ないとこがミソです。
今でも、勉強家で、よく学会、研究会に足を運び
診療に役立つ情報も提供してくれ、助かっています。
つくづく、人は見かけによりません。
こちらも、相手になめられないように日々精進しなければなりませんし
相手に気兼ねせずに、自由に意見を言い合えるとこが
ほかの病院の、医者と薬剤師の関係と違ったいい点です。
しかし、こやつとこんなに長い付き合いになるとは、思わんかったなー。
しかもアントラーズ・ファンってとこが、問題だな。[emoji:e-277]