ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.05.16

掌蹠膿疱症

 昨日の学会で、聞いてきたことの中に「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」の話があります。
 聞きなれない病名だけど、皮膚科の病気です。
 手のひらや、足の裏に無菌性の膿疱が数多くでき、何年にもわたって続く、という病気です。
 原因不明といわれてますが、この病気「慢性扁桃炎の病巣感染であることが多い、」
という事実が、古くから知られてます。
 「病巣感染」とは何ぞや。[emoji:v-219]
 「病巣感染」とは、体の一部分の限局的な慢性感染症が原因となって、
そことは別の、離れたところに炎症が起こる
、というものです。
 つまり、この場合は扁桃に常に感染があるために、手や足に膿疱ができる、ということです。
 今回このことに関する詳細な研究発表がありました。
 以前、私が大学にいた時分は、いろんな検査をして関連する疑いが強ければ、
扁桃腺を取る手術をする、って認識でした。
誘発テストなんていって、扁桃を大きな綿棒でごしごし5分間もこすり、
体温、白血球、血沈などのデータの変動を確認するという、
医者にとっても、患者にとってもうんざりする検査です。
また、これが、なかなかうまく陽性に出ない。[emoji:v-388]
 最近の研究では、有効性が明らかなので中等症以上の掌蹠膿疱症であれば、
それだけで手術の適応、ということです。
 ふーん、なるほど。
 この病気、直接耳鼻科に来ることはまずないですが、以前病院に勤めてた頃は、
手術目的で、紹介され結構オペしました。
 よくなりますよ。
 実は、1年位前、ウチから一人病院に紹介して手術してもらいました。
そのかたは、耳の病気かなんかで来院した若い女性なのですが、
問診表の「いま経過観察中の病気」の欄に「掌蹠膿疱症」とあったのです。
 話を聞くと、何年も悩んでいるようで、市内の皮膚科もほとんど回り、
最近は館林の方まで行ってたようです[emoji:v-292]。
その他、いろいろ民間療法も試したけど、もちろんうまく行かず。
 で、これは扁桃腺との関係があることが多いよ。と説明し、手術を勧めました。
 患者さんは
 「そんなこと、初めて聞いた。[emoji:v-12]」
  と、びっくりしてました。
 えー皮膚科って、そーゆー説明しないのかなー[emoji:v-11]、と逆にこっちもびっくり。
 耳の病気の方はすぐ治っちゃったので、病院に紹介し扁桃腺の手術をしてもらいました。
恐怖の誘発テストはやんなかったけど、血液検査や問診で「疑いあり」と診断したのです。
 次に、またなんか別のことでウチにかかった時、掌蹠膿疱症の方がほとんどよくなっていたので
あー、よかったなー、[emoji:v-410]と思ったわけです。
 今後は、もっと自信もって紹介できるぞ[emoji:v-218]。
 しかも、大きな綿棒を2本も口の中に入れて、
げーげー言わせながら両側の扁桃腺を5分間もグリグリする
拷問のようなあの検査[emoji:v-40]、もなくなるか知らん。

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