鼻炎の原因
花粉症の治療をしているといろいろな症例に出会います。
クシャミ、ハナミズに加え、目のかゆみもあり
スギ花粉症かなと思い検査をしてみるとスギ、ヒノキは陰性。
ハウスダストや、イエダニのアレルギーも陰性。
イネ科の花粉が強陽性ですが、
季節的にイネ科の花粉は5、6月、または秋なので、
この時期これは原因ではない。
ペットはウサギを飼っているので、
家兎のアレルギーも調べましたが、陰性。
さて、この子の鼻炎の原因は?
答えは「イネ科花粉のアレルギー」。
ウサギの餌としてホームセンターや通販で
手に入れることのできるウサギの餌「チモシー」は
実はイネ科の草「カモガヤ」のこと。
イネ科アレルギーの人は、
ペットのウサギの餌にあるチモシーの花粉で
アレルギー症状を起こします。
そもそも花粉症の歴史をさかのぼると、
1819年にイギリスのジョン・ボストックという人が
牧草の干し草と接することで発症する風邪症状
について報告したのが最初で、
「Hay Fever/枯草熱(こそうねつ)」と呼ばれたものが最初です。
当時はアレルギーの概念がなく、原因不明とされましたが、
干し草によるアレルギーは、花粉症の元祖なんです。
そんなわけでこのような
「通年性イネ科アレルギー」を起こす人に対しては
ウサギの餌の管理に対する注意を説明し、指導をする、
ということになります。
このケースはけっこう多く遭遇します。
謎が解ければ、治療・対処は簡単ですが、
このからくりがわからないと何月になっても治りません。
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