駆逐艦「櫻」/「橘」
先日、太平洋戦争に参加した聯合艦隊の艦艇のうち
もっとも艦暦の古い「戦艦金剛」を製作しましたが、
じゃあ、今度は最も新しいフネを作ってみよう、
ということで、駆逐艦「桜」。
丁型といわれる「松」型駆逐艦の13番艦、
正確には「櫻」ですね。
1番艦「松」が竣工したのが、開戦後2年半も経った1944年4月。
この「櫻」は1944年11月。
終戦までわずか9カ月という時期でした。
1945年7月11日には沈没してるので
艦歴1年を待たず失われたことになります。
戦時急造艦ということで設計は徹底的に簡素化され、
それまでの日本海軍の駆逐艦とは
まったく異なったデザインです。
キットはタミヤから1995年に発売されたもの。
シンプルな構成。
窓枠、機銃など一部エッチングを使用、
マスト等は金属線で自作しています。
ともかく、ちっちゃいのよ。
ルーペを強拡大にして、両手に精密ピンセット、
くしゃみなど厳禁です。
爆雷投下機や、増設された96式三型25㎜単装機銃は
ストックのエッチングパーツから調達しました。
並行して「改丁型」の「橘」も作成。
こちらはピットロード製、2004年発売。
「松型」は18隻の同型艦が作られましたが、
「橘型」は合計14隻つくられ、文字通り帝国海軍最後の艦艇です。
「橘」は1945年1月の竣工です。
同年7月14日函館港内で沈没。
儚いなあ・・・・
こちらはエッチングパーツ付き。
窓枠の分はなかったので自作です。
前マストの形が松型と異なります。
「松型」よりさらに設計は簡素になり
シルエットはさながら米国海軍艦船のよう。
後ろがストンと切れてるのも松型との違い。
これもアメリカの駆逐艦によくあるやつ。
従来の帝国海軍艦艇のような優美さ、色気は微塵もないが、
これが兵器本来の姿。
みな「松」「竹」「欅」など樹木の名前が付けられ、
戦時急造艦で武装や、速力もそれまでの「艦隊型駆逐艦」に比べ見劣りするので
「雑木林」と揶揄されたそうですが、
レーダーや対潜設備は最新鋭で、優れていたといいます。
もし、戦艦大和級など造らず、
これを200隻造っていたら、
太平洋戦争の戦局は変わっていたかも。
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