ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.03.23

花粉症治療は診断が重要

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 花粉症の治療というと、話をきいて薬を出すだけと思いがちですが、

実は、正確な診断をすることがまず、大変重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 肝心なことは、症状が起きている原因が何か、

ということをつきとめること。

そして、その程度、重症度がどの程度か、ということ。

副鼻腔炎などの合併の有無は当然考慮しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのため、当院ではほぼすべての花粉症の患者さんに

初診時にはアレルギー検査をしていただいています。

もちろん、過去に他施設で受けた検査結果があればそれでもOKです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 調べてみると、長年花粉症だと思い込んでいた人が、

実はハウスダストのアレルギーだったり、

血管運動性鼻炎や、好酸球性鼻炎であったりの

「なんちゃって花粉症」である場合も散見します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハウスダストや血管運動性鼻炎の人が

シーズン中、2か月も3か月も薬を飲む必要はありませんし、

好酸球性鼻炎では通常の抗ヒスタミン剤は効きません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花粉症の症状は持っている体質の強さ(血液検査のクラス)と

実際に侵入する抗原(花粉の量)で決まりますから、

使うクスリの種類だけでなく強さを決める目安になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いくら眠くならないクスリが良いっていっても、

あなたのスギ花粉スコアは6点満点中6を突破しているから、

今年の予測花粉量と照らし合わせれば、

アレグラじゃあ、無理でしょう、ということになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 逆に花粉症のスコアがクラス2なのに

それなりのクスリを飲んでも症状がコントロールできていない人は、

花粉をそれだけ多く吸っているわけで、

日頃の生活習慣に問題がある、ということです。

クスリが弱いせいではないので、

あなたの日常生活をもう一度見直しましょう、

とアドバイスします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 糖尿病の人がクスリを飲んでいても

かくれてお菓子屋ケーキをどっさり食べていたら、

HbA1Cが下がってこないのと一緒です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 症状が出る期間も予測できるので、

あなたはスギだけだから2か月分、

あなたはヒノキもあるので3か月出しますねー、

ということで、病院に来る回数が1シーズンに1回で済むし、

それも花粉症で外来が込み合う前に処方することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先ほど糖尿病の例を出しましたが、

花粉症も高血圧症や糖尿病と同じで、

生活習慣が多くかかわり、

完治ではなくコントロールを治療の目標とする疾患です。

血圧や血糖を測らないで高血圧や糖尿病を治療する内科医はいません。

自分の状態をよく知ったうえで、

自己管理していくことがアレルギー性疾患の基本的な治療です。

 

 

 

 

 

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