花粉症の診断
花粉症かも、ということで来院する方は多い。
花粉症は、生まれつき発症することはなく、ある年突然発症する。
そして、その後は一生つづく。(-_-;)
体質的なものは遺伝的素因が高く、両親が花粉症であれば発症の可能性はかなり高い。
それでも、体が反応するにはそれなりの「抗原曝露」が必要になるので、0歳、1歳での花粉症はまずありえない。
2歳、3歳はビミョーだが、4,5歳になると花粉症の子が増えてくる。
花粉症は典型的なものは鼻粘膜の様子からアレルギー性鼻炎と診断できるので、
我々耳鼻科医はまず「視診」で診断。
確定診断は血液検査による。
スギ花粉症であると思っていても、ハウスダストだったり、
あるいはまったくアレルギー抗体価がゼロの人もいる。
大人のヒトで長年花粉症と思いこんでいたら違ったという人もいる。
想像妊娠があるから想像花粉症かと思うが、
これは「血管運動性鼻炎」といい、決して気のせいではない。
いわばハナの過敏症みたいなもので広い意味ではアレルギー性鼻炎に分類されるが厳密には違う。
翌年以降は、その血液検査のデータをもとに診察をすすめる。
血液検査のスコアは0~6までなので、
0は陰性、1は弱い、2はやや弱い、3は平均、4はやや強い、5は強い、6は非常に強い、
と判定できる。
花粉症の症状は一般にその人の体質の程度(すなわちスコア)と、吸い込む花粉の量によって決まる。
ただし、スコアは大人では大きな変化少ないが、
子供では変動するので、(一般には増加、あるいは新たな項目が加わる)ので症状に応じた再検査が必要である。
小学生のAくん(9歳)は3年前の6月に当院で調べたデータでは
スギ、ヒノキ、ハウスダスト、イエダニ、その他草の花粉類もすべて陰性。
今のところ、アレルギーはないですね、ということだった。
今年、どうも怪しいので再検査したところ、
スギ花粉のスコアが0から一気に最高値の6になっていてビックリ。
逆転有罪の判決、となってしまった。
そんなわけで彼には「クラス6」の人向けの薬を処方、生活指導をした。
花粉症疑いのヒトは血液検査をお勧めします。
内科の先生でも血圧も測らずに高血圧の治療はできませんからね。
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