ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2019.11.28

細菌とウイルス

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 本日の朝日新聞のニュースと、天声人語で、

抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」の耐性化の問題が取り上げられていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すでにこの間のブログで書いたように、

日本小児科学会からは「推奨しない」の指針が出されていますが、

ここ最近の報道を受け、

オトナも含めて今期のゾフルーザの使用は激減するでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昨年も、新薬のわりに薬価収載までが早く、

基礎データで耐性化のうわさが出ていたので、

薬価が高いということもあり、

当院ではほとんど処方しませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、まあ、そこは良いのですが、

天声人語の文章を見ると、

細菌とウイルスがごっちゃになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 途中まで細菌の耐性化の話を進めながら、

途中で突然インフルエンザウイルスの耐性化の話につながっている。

まさに、木に竹を接ぐ様な展開に見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 病原体の耐性化に注意しなければいけないという意味で

文脈的には間違いではないのですが、

細菌とウイルスでは耐性化獲得のメカニズムも違うし、

ワレワレ感染症を扱う医者は、

ウイルス感染と細菌感染はとくに鑑別をしなければならない事項なので、

読んでいて非常に違和感がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 風邪の時には抗生物質の使用は意味が無い、または逆効果ですよ、

というと、驚かれる患者さんも少なくありませんが、

全国紙の一面の記事に書くような記者さんでも

あまりその区別を重要視していないということは、

まだまだ一般にはその認知度は低いのだなあと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どちらにせよ、われわれ医療者が、

正しい知識と意識をもって対処していかないと、

病気との戦いには勝てない、ということです。

風邪に抗生物質は不要です。

インフルエンザにも抗ウイルス薬は必須ではありません。

わかってるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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