新型コロナウイルスワクチン
ファイザー社の新型コロナワクチンが
イギリスで認可され、接種が始まるようです。
このワクチンの有効性が90%ってすごいですね。
インフルエンザワクチンの有効率が50%くらいといわれてますから、
ホンマかいな、というくらいの数字です。
なんでも、従来のワクチン製造とは違い、
今回のワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるもの。
ワクチンとはそもそも
弱毒化あるいは無毒化した病原体を体内に侵入させ、
免疫細胞にその情報を読み取らせて
抗体を作らせるメカニズムです。
ジェンナーの牛痘の種痘がその元祖。
いっぽう、このmRNAワクチンというのは
名前の通り遺伝子であって、ウイルスの端くれではありません。
新型コロナウイルスの
タンパク質、抗原を作る情報を持った遺伝子ということ。
mRNAが細胞に取り込まれると、
細胞はその情報にしたがって、
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を作るわけです。
それを、抗原として認識して、抗体の産生が促される。
これは、通常のワクチンと同じです。
ところが、コイツはもう一個の免疫系にも作用するという。
B細胞が抗体を産生して病原体を狙い撃ちすることを
液性免疫といいますが、
免疫にはもう1系統、細胞性免疫というものがあります。
これは相手がウイルスの場合、
ウイルスに冒された細胞をT細胞が検知して、
それを破壊、排除する働きです。
mRNAをとりこんでウイルスタンパク質を産生した細胞は、
疑似的にウイルスに侵された細胞としてT細胞に認知され、
それによって細胞性免疫も誘導されるという。
なので、mRNAワクチンは
液性免疫、細胞性免疫の両方を賦活することができるため、
有効性が高いようです。
しかし、その実用化はいろいろな困難があり、
今までは成功しませんでした。
なので、今回の新型コロナウイルスワクチンは、
初めて実用化されたmRNAワクチンということになります。
その点、今後の動向が注目されるところですが、
もしこのワクチンが能書き通りの効果を発揮すれば、
開発チームはノーベル医学賞モノでしょう。
1件のコメント
ファイザーワクチン、イギリスの大々的な接種がうまくいくといいなと願っています。
ファイザーワクチンの開発秘話がツイッターで話題でした。
https://twitter.com/HironoriFunabi1/status/1338261373520900097