ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2021.11.07

新型コロナウイルスの激減はなぜ?

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新型コロナの感染者数の急激な減少が続いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのスピードは、第3波、第4波の時より明らかに早く、

なんか、このまま収束しちゃうのでは、

と思いたくなるような勢いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この原因は何なのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワクチン接種の浸透が大きな力を発揮していることは、

まず、間違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、それだけなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、興味深い記事を発見。

国立遺伝学研究所と新潟大のチームが発表したものですが、

デルタ株でゲノム(遺伝情報)の変異を修復する酵素が、

変化し、働きが落ちたため、

ウイルスが変異を修復できなくなり自滅したのではないか、

というもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウイルス増殖の際に起こる複製ミスを修復する働きがある

nsp14と呼ばれる酵素があるが、

これが変化したタイプのウイルスは

変異が蓄積し、やがて増殖できなくなる。

人間の体内にある「APOBEC」という酵素が、

このnsp14を変化させたと推測されるそうで、

東アジアやオセアニアでは、

この「APOBEC」の働きが活発な人の割合が多いという。

このnsp14の遺伝子が変化したウイルスが増えたおかげで、

感染が縮小していっているのではないか、

というもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うーむ、ホントですかね。これは1970年代に提唱された

「ウイルスは変異しすぎるとそのせいで自滅する」という

「エラーカタストロフの限界」という理論に裏付けられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たしかにウイルスは世代交代が早いので、

進化と絶滅の経過が早送りのように見られるわけです。

これだけ地球上に蔓延したウイルスであれば、

数え切れない自己複製の回数があったわけで、

その過程でこういった致命的なミスが現れてもおかしくはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、これはあくまで仮説ですので

実際のところはどうなのか。

このまま、ウイルス自滅により収束に向かうのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもコピーミスのウイルスがそれほど蔓延するのか、

という疑問があります。

ウイルスは当然ながら感染力の弱いものは淘汰され、

感染力の強いものがメインになるはずです。

自滅型のウイルス株が主流になるのは何となく解せない。

ある程度時間が経つとそういった「臨界点」が

同時多発的に起こるのかもしれませんが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パンデミックを起こしたウイルスはある時期から病原性の低い、

いわゆる弱毒性のものに置き換わるという現象が過去見られています。

罹った人が、寝込んだり、死んでしまったりせずに

元気に歩き回ってくれる方がウイルスの拡散に有利だからです。

ひとくちにデルタ株といっても多くの「亜株」があるはずで、

その中で何らかの理由で弱毒化したものが増加したところ、

そのタイミングでワクチンの効果が十分に発揮され、

感染、発症が大幅に抑制されたのに加え、

日本は諸外国に比べてマスク生活が定着しているので、

感染拡大がおさまったのではないか、

というのがワタシの考えですが

実際のところは謎です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実際にこの仮説のような酵素変異によるウイルス自滅が

日本や東南アジアで起ったと仮定した場合、

ヨーロッパや北米、南米のデルタ株は、

酵素変異を受けていないとすれば、

海外渡航の規制緩和によって、

それらの非自滅型ウイルスが我が国に流入し、

また新たな流行を起こすことが懸念されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飲食店や各種イベントの規制緩和は進めていいと思いますが、

外国人留学生の受け入れなどはまだいいとしても、

観光客の入国については、まだ慎重な対応をとった方が良いでしょうね。

 

 

 

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