ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.05.16

影響を受けたレコード⑧「フラワーズ・オブ・ロマンス/パブリック・イメージ・リミテッド」

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影響を受けたレコードシリーズもいよいよ終盤。

今日は8枚目。

1981年3月発売

「フラワーズ・オブ・ロマンス/パブリック・イメージ・リミテッド」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「パブリック・イメージ・リミテッド」は、ご存知のように

「セックス・ピストルズ」を脱退したジョニー・ロットンが、

本名のジョン・ライドンとして結成したバンドです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もともと、のちに

「グレート・ロックンロール・スウィンドル」といわれる、

仕掛け人、興行師のマルコム・マクラーレンによって

「ビジネス」としてスタートした「セックス・ピストルズ」は

デビューアルバムを発表した時点で、すでに半ば崩壊していました。

 

(The Great Rock’n Roll Swindleは

マルコム・マクラーレンが企画した

セックス・ピストルズの映画及びそのサントラ盤。

セックス・ピストルズの2枚目の、そして最後のアルバム。

Swindleとは、「詐欺」の意。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 曲の大半を手掛けるベースのグレン・マトロックは

すでにバンドを離れ、

代わりに加入したシド・ヴィシャスは、

もともとピストルズのファンでライドンの友人でもあったが、

完全なジャンキーであり、

プロのミュージシャンとしてやっていく

才能も体力もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョン・ライドンがアメリカツアーのあと

ピストルズを脱退したわずか3か月後の1978年4月結成された

「パブリック・イメージ・リミッテド」は

その年の暮れ、デビューアルバム「パブリック・イメージ」を発表する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1978年といえばパンクが市民権を得て

大ブームを起こし始めた年であるが、

パンクロック界の大スターが放ったレコードは、

全てのパンクファンの期待を拒絶する内容でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディストーションのかからない、切り裂くようなギターと

対をなすような重く低く、うねるような音圧のあるベース。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョン・ライドンのボーカルは、

高い、金切り声で、

ピストルズ時代とは別人かと思うような歌唱で、

曲もシンプルなロックンロール的な曲は一つもなく、

のちにオルタナティブといわれるような、

とっつきにくいノイズミュージック的なテイストに満ちている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまり、「セックス・ピストルズ」に嫌気がさした

ジョン・ライドンは、このアルバムで、

ロック・スター、パンク・ヒーローは、

あくまで大衆の偶像(パブリック・イメージ)に過ぎない、

と、自ら「セックス・ピストルズ」を否定することによって、

新たなバンドの方向性を示したのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある意味、自分の支持者に対し

ケツをまくって見せたわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時、まだ、完全なパンク小僧でなかったワタシなどは

完全においていかれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その約1年後の1979年11月、

セカンドアルバム「メタル・ボックス」発売。

これは、12インチの45回転ディスク3枚が、

文字通り丸い金属の缶に入った形で発売されました。

ラジオの新譜紹介で何曲か聴きましたが、

そのときは、またまたヘンテコな曲だなあ、

と思った程度でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 33 1/3回転の通常のLPより良い音質で聴いてもらうため、

45回転にしたと、当時ジョン・ライドンは語っていました。

その後、通常の33 1/3回転の2枚組紙ジャケットになった

「セカンド・エディション」がのちに発売されますが、

ワタシが買って聴いたのはそちらからです。

1980年のことだったはずです。

値段も下がり買いやすくなったこともあります。

(のちに高い金払って中古レコード屋で

缶入りメタルボックスを入手しました。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「メタルボックス/セカンド・エディション」は

PiLの最高傑作ともいわれる作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作風としてはファーストの延長にあるのですが、

さらに前衛度を高め、前作で1,2曲残っていた

パンクロックの残り香のあるような曲は完全に姿を消しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジャー・ウーブルの地を這うような重低音のベースに

キースレヴィンのギターと、

ジョン・ライドンのボーカルが絡んでゆく展開です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はじめは、とっつきにくいのですが、

これが、非常に中毒性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 繰り返し聞くうちに、すっかりハマりました。

1980年は、ワタシのロック革命の年。

1980年から81年にかけて、

バンドでも、いわゆるパンクではなく、

トーキング・ヘッズなどのアフリカンビートを取り入れた曲を

作曲し、演奏するようになっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、1981年4月に発売されたのが

「PiL」のサードアルバム「フラワーズ・オブ・ロマンス」でした。

今回は最初からレコード屋さんで予約して発売日に手に入れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さあ、1年間聴きこんだPiLが、どんな曲を出すか。

大いなる期待をもって、レコードに針を落としました。

(この「針を落とす」という『儀式』が今の子にはわからないだろうなあ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところが、

最初、レコードから聞こえてきたのは

予想もしなかった音。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最初、小さいミリミリミリ・・・という

虫の音みたいな音が鳴っているな、と思うと

いきなり、どーんという太鼓の音。

そして、「ア~~~~ラ~~~~~~」

というコーランを読み上げるような叫び声。

そして、太鼓連打。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作が45回転だったので、

とっさに回転数でも間違ったかと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、そうでは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パブリック・イメージ株式会社による

ロックの解体事業は、ここまで進んでいたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼らは、アフリカを越えて、中東まで行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジョン・ライドンのコーランを思わせるような

呪術的なボーカルがうねり、

さまざまな打楽器が、民族音楽的な独特の世界観を醸し出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 このスタイルは、前作までサウンドの要だった

ベーシスト、ジャー・ウーブルの脱退が大きい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベーシストを失うことによって、

新たなベースを補充するのではなく、

じゃあ、ベース無しでいってみようと考えるところが

当時のジョン・ライドンのスゴさです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イントロの虫の音は、

フロア・タムの上に置いて、ディレイをかけて反響させた

「ミッキーマウスの懐中時計の秒針の音」だったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その他にもテレビから録音した音を

サウンドコラージュ的に使ったり、

テープの逆回転を用いたりの

実験的な手法がとられ、

スタジオ内で様々なアイディアを試したようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ともかく、このアルバムと、

相前後して出た「ザ・ポップグループ」の2枚のアルバムは

ワタシにとって衝撃的でした。

今でも、大好きです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その影響でワタシのバンド「LANDSALE」も

どんどん変態的な音になってゆき、

そのため、どんどん女の子にモテなくなっていったのです。(T_T)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ、杉山清貴とか、チューブとか、

せめて高中あたりやってれば

ワタシの大学生活はもっと別の華やかなモノになっていたでしょうが・・・・。

だが、その分、ロックヲタク男子にはモテました。(^^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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