奥の深い話
今日、受診したお年よりは、耳が痛いとの訴え。
本年4月に心臓の手術で某病院に入院。そのときに、耳が変だったので耳鼻科も受診した。
耳垢のせいといわれ、取ってもらったそうだが、
耳に水の薬を入れたりして、大変だったとのこと。
しかも、その後、ずっと耳の具合が悪いという。
どれどれ診てみましょう、ってんで耳を覗いてみると
ドッカーンとでっかい耳垢が穴をふさいでる。[emoji:v-12]
「耳垢とってもらったんですよねー。」
「ああ、でもそこの病院は、週一回土曜日だけ東京から先生が来るんで、
なかなか、かかれんのです。」
おお、なるほど、話が見えてきたぞ。
そういえば、手前にちょっととったようなあとがある。
昨日の話の続きになるが、医者にはそれなりの技術が必要だ。
特に、耳鼻科など外科系は、いっくら勉強して頭でわかっていても
たとえば、鼓膜が見えなければ診断にならない。
そこの耳鼻科は研修医のバイトかもしれませんね。
実は、耳垢とるのはすっごく難しい。
特に、耳の穴の小さい赤ちゃん[emoji:v-511] と、あばれる幼児[emoji:v-205]、お年寄りのガチガチの耳垢[emoji:v-509]は
研修医では手に余る。
耳垢水つけてる時点で、すでにその様子がわかる。
耳垢水とは、硬くなった耳垢をふやかして、取りやすくする薬なんだけど
私は最近あまり使いません。
あとが荒れてしまうし、耳だれが出ているようなものがわからなくなってしまうからです。
顕微鏡下に、異物鉤というフックと大、中、小の吸引管、耳の手術用の鉗子などを使って、ほとんど取ります。
でも、研修医の頃は、すぐ耳垢水に頼ってました。
でも、なかなかとれねーんだ、これが。[emoji:v-388]
今回の先生も、苦労した末、あきらめちゃったんですかねー。
私のときは、次に行く先輩の先生に
「スイマセン、取れなかったんで、次、お願いします。」
とお願いしてましたが。
今は、何でも一通りできるようになって、良かったなーと思います。
耳垢のとりかたなんてのは、教科書に書いてないし、簡単そうに見えて、なかなか奥が深い。
奥が深いっていっても、耳垢なんだから突き当たりは鼓膜までだけど。
(いや、もちろん、そういう意味じゃなくて・・・。)
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