危険な物質
この間の「代替医療解剖」の中に
大変面白いくだりがありましたので
ご紹介します。
オーストラリアの科学ジャーナリスト、
カール・クルシャルニツキという人が書いた
「謎の殺人化学物質」という記事です。
この物質は、さまざまなガン細胞の中に見出されている。
ガンとの関係については、今の所証拠は得られていないが、
この物質「一酸化二水素(Dihydorogen monoxide: DHMO)」は
致死的な子宮頚がんの95%以上、
末期がんの患者から集められたガン細胞の
85%以上に見出されている。
この物質は工業用の溶剤や冷却剤として用いられ、
さらには生物兵器の製造や、
原子力発電所でも使われている。
そして多くのエリートスポーツマンが、
持久力を上げるために、これを日々摂取しているのだ。
医学的には、この物質は発汗、嘔吐、下痢、
などの症状を呈する病気には、ほとんど常に関係している。
この物質は通常液体だが、
固体の時には重い火傷を引き起こす事もあり
高温ガスの状態では、年間何百人もの人々を
死に至らしめている。
そして液体状態のDHMOを少量肺に吸入しただけで、
毎年何千人もの人が命を落としているのだ。
これを読むとこの「DHMO」は、
なんという恐ろしい化学物質だと思われるでしょう。
今すぐにも規制をかけて使用禁止にしてもらいたいですね。
だが、落ち着いてよく考えてみて下さい。
一酸化二水素とは、
化学式で書くと「H2O」です。
つまり、ただの「水」ということです。
さあ、そういう目で、もう一度さっきの文章を読んでみましょう。
水は、さまざまなガン細胞の中に見出されている。
ガンとの関係については、今の所証拠は得られていないが、
この物質「一酸化二水素(DHMO)」すなわち水は
致死的な子宮頚がんの95%以上、
末期がんの患者から集められたガン細胞の
85%以上に見出されている。
水は工業用の溶剤や冷却剤として用いられ、
さらには生物兵器の製造や、
原子力発電所でも使われている。
そして多くのエリートスポーツマンが、
持久力を上げるために、水を日々摂取しているのだ。
医学的には、水は発汗、嘔吐、下痢、
などの症状を呈する病気には、ほとんど常に関係している。
水は通常液体だが、
固体の時には重い火傷を引き起こす事もあり
高温ガスの状態では、年間何百人もの人々を
死に至らしめている。
そして液体状態の水を少量肺に吸入しただけで、
毎年何千人もの人が命を落としているのだ。
どうでしょう。
まったく怖くありませんね。
しかも文脈は少しも矛盾していません。
クルシャルニツキ氏は
代替医療を実践する人たちが、
いかに簡単に一般大衆を怖がらせることが出来るかを
示して見せたということです。
ただ、このネタは有名らしく、ネットで調べると
別の起源とする記事もあるようですが、
秀逸なジョークであることは変わりありません。
ニセ科学にダマされないために、
科学的な考え方、論理的思考は、
常時意識したいものです。
あと、選挙前の政治家の話にもね。
あー、でも、政治家はもっと堂々とウソをつきますので、
ちょっと違うかもなあ。
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