一等星の合言葉
先日ベテルギウスの話を書きましたが、
ワタシの天体に対する知識は、
その大半が、天文学者にあこがれていた小学生時代のものです。
今でも、各星座の一等星の名前はそらんじられます。
ポラリス北極星が二等星であることも知ってますし、
夏の大三角形がこと座のヴェガ、はくちょう座のデネブ、
わし座のアルタイルであることも覚えています。
ところが、今回のブログを書くに当たって、
ざっと調べたところ、間違って記憶していたことも発見しました。
星座の中で一番明るいのがα星、
二番目がβ星であると思っていましたが、
必ずしも、そうではない場合もあるんです。
そのベテルギウスはオリオン座のα星ですが、
実はβ星のリゲルの方が明るいそうです。
これは、今回の減光のせいではなく、以前からだそうで。
これはこの命名がドイツのヨハン・バイエルというヒトが
1603年に発表した「ウラノメトリア」という
星図書に基づいているからだそうです。
当時は星の明るさの測定が目視だったので、
このようなことが生じたらしい。
フムフム。
そしてもう一つ、重大な記憶違いをしていました。
オリオン座が唯一、2つの一等星を持つ星座だと思っていましたが、
それは「北半球で見ることができる」という条件付きで、
実際には「ケンタウロス座」「みなみじゅうじ座」も
2つの一等星を持つ星座でした。
「みなみじゅうじ座」は、よく耳にする「サザンクロス/南十字星」で
α星の「アクルックス」(0.667等級)
β星の「ミモザ」(1.25等級)ともに一等星です。
「みなみじゅうじ座」はγ星の「ガクルックス」も1.64等級と、
もうちょっとで一等星の明るい二等星だそうです。
そして「ケンタウロス座」。
β星の「ハダル」は0,6等級の一等星。
そして一番明るいα星は-0.1等級の明るさで
全天では-1.46等級のおおいぬ座の「シリウス」
「りゅうこつ座」の「カノープス」(-0.74等級)に次いで、
3番目に明るい星なんだそうだ。
ところが、この星には固有の名前がない。
なぜかと思い調べてみると、
どうもこの星が三重星であることに関係するようだ。
肉眼では1個に見えるが、
1689年にこの星が二つの天体からなることが発見されている。
ケンタウロス座α星A、ケンタウロス座α星Bと、
藤子不二雄A,Bみたいな名づけられ方をしている。
二連星というとガミラスとイスカンダルのように接近しているかと思いきや
α星Aとα星B間は太陽から土星くらいの距離で公転してる
というので、宇宙は広い。
しかも楕円軌道のため最大では
太陽から冥王星くらいまで離れることもあるとか(@_@。
さらに1915年に第3の星α星Cが発見され、
三連星であることがわかったそうです。
これはさらに0.24光年も離れているというから、
ワケがワカラナイ。
公転周期は10万年から50万年という。
ここら辺はワタシの天体学の知識と理解の範疇を完全に越えています。
2016年8月21日にα星Cに対してプロキシマ・ケンタウリ (Proxima Centauri) 、
2016年11月6日にα星Aに対してリギル・ケンタウルス(Rigil Kentaurus) 、
2018年8月10日にα星Bに対してトリマン (Toliman)
という固有名がそれぞれ正式に定められたそうですが、
一般にはこれらをまとめて「アルファ・ケンタウリ」と呼ばれる場合が多いとのこと。
ここで、はっと心は少年時代に戻る。
1974年公開のゴジラシリーズ第14作「ゴジラ対メカゴジラ」は、
2年前の1972年に日本に返還されたばかりの沖縄を舞台に、
翌1975年の沖縄海洋博とタイアップして製作された。
ゴリラマスクをつけただけの「ブラックホール第三惑星人」が
メカゴジラを使って地球征服を目論むのであるが、
その秘密基地のセキュリティーがなんと赤穂浪士ばりの「合言葉」。
その合言葉が「アルファ」の呼びかけに対する返答が
「ケンタウロス」。
そうか、沖縄は緯度が低いので北半球でも
ケンタウルス座がみえるから、
‥‥‥というわけではないですよね。
それにしても、進歩した科学技術でメカゴジラを操る宇宙人が
合言葉というのは、いかにもおそまつ。
うーむ、壮大な宇宙の話だったはずが
いかにも矮小なB級映画の話になってしまった・・・・。(^^;)
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