メタボとダイエット
このあいだ、ボリューミーとか、ファンタジックとか
一見英語風だが英語にはない単語の話をしました。
英語由来だけど、本来の意味とが違う単語もあって、
たとえばかつての日本代表監督が使った「ナイーブ」は
日本だと「繊細で傷つきやすい」とか「純真な」という肯定的な意味ですが、
本来は「世間知らず」「お人よし」「バカ正直」
という意味です。
そういえば、「テンション」のことも以前書きました。
さて「メタボ」「ダイエット」も
本来の意味とは違った使われ方をしています。
厚労省のメタボ健診キャンペーンで一気に市民権を得た「メタボ」は
生活習慣によって引き起こされる
「メタボリックシンドローム」に由来します。
「metabolic」は「代謝」を意味する「metabolism」の形容詞。
「代謝」とは生物が栄養を取り込んで
それによってエネルギーを得る「異化」と、
食物からタンパクや核酸などの身体を構成する物質を合成する「同化」
の作用を指します。
この収支バランスが悪いと、余分な栄養が脂肪として体に蓄積されたり、
高血圧、動脈硬化や脂質異常症、糖尿病を発症するため、
これらをひっくるめて「メタボリックシンドローム」と呼んだわけですが、
いまや「メタボ」≒「中年太り」ということになっています。
「ダイエット」はもともと英語の「diet」で
本来「飲食物」の意味ですが、
健康維持のための「規定食(diet meal)」の意味もあるので、
英語でもdietは「減量のための」の意味があり、
「diet Pepsi」「diet Coke」などがあるわけです。
でも、「ワタシ、ダイエットのために毎日ジョギングしてるんです。」
というような「運動による体重減量」の意味はありません。
だから「糖質制限ダイエット」や「ダイエット食品」はいいけれど、
「耳つぼダイエット」とか「ダイエットエクササイズ」
は本質的にはおかしいことになります。
ところで「diet」には「議会、国会」という意味もあります。
日本の国会もみてると、
議論の内容のレベルが低く、
どうも無駄に議員の数が多いみたいなので、
余分なぜい肉や、悪玉コレステロールだらけで、相当「メタボ」みたいです。
緊急事態宣言出てるのに
ステーキで会食したり、
夜遅く銀座のクラブに飲みに行っちゃう奴らです。
経費もかさんで税金の無駄遣いだから
もうちょっと議員定数は「ダイエット」してもいいような気がします。
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