ブラバムBT52~女子大生ブームとBMW
この夏、どこにも旅行に行かず、
ひたすらステイホームな日々でした。
8月に完成したプラモデルその1。
ブラバムBT52、1983年のネルソン・ピケのチャンピオンマシンです。
ただし、コンストラクタータイトルは126C2Bでフェラーリがとりました。
キットはアオシマBeemaxシリーズのNo.14、
2017年発売の新しいモデルです。
タミヤから新作F1がなかなか出ない昨今、
こういったところから「往年の名車」が出るのはありがたい。
このBeemaxシリーズは日本の青島文化教材社と
マカオのメーカーの共同企画らしいですが、
F1やラリーカーなどでミッシングリンクを埋めるような
アイテムを取り上げてくれます。
モールドもシャープで考証も正確みたいです。
実は、このマシンが走ってた頃はF1から遠ざかっていたので
あまりよく知りません。
1983年からのウイングカー廃止、フラットボトム化を受けて
鬼才ゴードン・マーレーがデザインしたのがこのクルマ。
レース中の給油を想定してガソリンタンクを縮小し
空気抵抗を減らすためサイドポンツーンを可能な限り切り詰めて
重心を後方にうつしています。
そして目を引くのはBMW製ターボエンジン、ナント4気筒。
ターボ以前には8~12気筒が主流であったが、
ターボ時代になり気筒数は減ったがそれでも主流はV型6気筒。
直列4気筒、左右非対称のレイアウトはF1のエンジンには見えませんね。
それにしても、シンプル、コンパクトな構造です。
で、このマシン、いきなり開幕戦ブラジルGPでデビューウイン。
その後、BMWエンジンの信頼性の低さに4回のリタイアもありましたが、
ネルソン・ピケは3勝を挙げ、完走時は2位3回、3位2回、4位2回と
早さを見せました。
それにしてもこのイカみたいな独特の形。
低重心にこだわるゴードン・マーレーは、
その後、ブラバムBT55というヒラメみたいなマシンを作る。
そして、その「イカ」と「ヒラメ」から学んだコンセプトをもってマクラーレンに移籍。
1988年のF1グランプリ全16戦中15勝を挙げた超傑作マシン、
マクラーレン・ホンダMP4/4をモノにするのでした。
サイドポンツーンがないので
カーナンバーはサイドラジエーターにかかれています。
スポンサーの方が大事ですから。
1983年といえば、音楽は「カルチャークラブ」や
マイケル・ジャクソンの「スリラー」などのMTVブーム。
映画は前年12月公開の「E.T.」が大ヒット。
「フラッシュダンス」「スターウォーズ・ジェダイの復讐」が7月に公開された。
4月には東京ディズニーランドがオープンし、
ワタシは大学5年生でした。
メインスポンサーは「フィラ」ですが、
そういやこの当時「フィラ」や「エレッセ」などの
アパレル系輸入高級スポーツブランドは大ブームだったような。
当時は女子大生ブームで、
「ビーエム」は「アウディ」と並んで女子大生人気ナンバーワンカーであった。
むろん、ワタシの通う地方国立大学では
外車なんか乗り回してる学生は一人もいませんでしたけど。
そういえば、あの「オールナイトフジ」が始まったのが1983年4月なんだなあ。
ヒストリックレーシングカーも、
時代背景を回顧しつつ眺めると、
また違った味わいがあるものです。
コメントはまだありません
コメント/トラックバック トラックバック用URL: