ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.05.31

タイトルの重み、勝負の気合

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今シーズンの、浦和レッズのナビスコカップは、終わりました。


 2008年Jリーグヤマザキナビスコカップ予選A組第5節
 ヴィッセル神戸  2-1  浦和レッズ  (ホームズスタジアム)
       (前半 1-1)
       (後半 1-0)


 どんな勝負でも、負けようと思って勝負に臨むことは、まずない。
勝ち負けを争うなら「勝ちたい」と思うのが当然だ。
 しかし、その温度は差がある。
「負けてもいいけど、できれば勝ちたい。」
「何がなんでも絶対、勝ちたい。」
「無理せず勝てればいいな。」
「選手生命をかけて、勝ちに行く。」
「怪我しない程度に、勝ちたい。」
「足が折れてもても、勝つぞ。」 
勝負に対する、気合、執着は
勝つことによって得られる栄誉の重み、両チームの実力、その他のゲームとのバランス、
選手の性格、監督の気合、スタジアムの雰囲気、
その他もろもろの要素によって決まる。
 また、それらは、試合展開によってゲームの途中でも変化する。
 本日の試合、そのこだわりは明らかに神戸が勝っていた。
 まだ、タイトルどころか、ナビスコの決勝トーナメントの進出したことすらないヴィッセル神戸は
今日の試合に勝つことによって、その可能性が限りなく大きくなる。
到達すべきゴールが見えると、人間は勇気とやる気が出る。
誰だって1000ピースのジグソーパズルを、残り5ピースでやめる人、いないでしょ。
だから、彼らはあきらめなかった。
 一方の浦和レッズはどうだろう。2003年にナビスコカップに優勝。
これは、念願のチーム初タイトルであり、
これを契機にレッズは強豪チームと認識されるようになったといっていい。
Jリーグのタイトルは、リーグ・チャンピオン、天皇杯、ナビスコカップと3つあるが
この順に、タイトルの価値が高いといわれている。
そして、レッズは2005年、2006年と天皇杯を取り、2006年にリーグ・チャンピオンを取った。
 すなわち、ナビスコは最も、軽く見られている。
そもそも、代表戦でリーグが中断する時に行われ、
出場選手も、代表が抜かれたいわゆる控えメンバーが多い。
 そして、アジア・チャンピオンズ・リーグがある。これは、アジアのチャンピオンだから
Jリーグ・チャンピオンと同等、あるいはそれ以上の価値がある、といわれている。
レッズは昨年このタイトルを取り、今年も連覇を最大の目標に掲げている。
 もし、ナビスコを、勝ち抜くとこのアジア・チャンピオンズ・リーグとの関係で、試合日程が大変きびしくなる。
 「ナビスコも勝ちたいけど、両方勝ち進むときついなー、どっちか狙うとすればやっぱアジアタイトルだなー。」
 という考えは、選手、スタッフ、サポーターみんなの頭の中にはじめっからあるはず。
もちろん、私もそう思ってたし。
 最終的には、この辺の差なのかなー。
 そう、しかし今日のレッズは、もう一個のファクターがあった。
 そう、高原のことです。
 日本代表を、辞退して、チームに戻ってきたこのエースに、ナントカ点を取ってもらいたい。
これは、レッズサポのみならず日本代表を支持する多くのサッカーファンの思いでしょう。
 で、その高原が開始わずか4分で点を取った!
 高原も、チームメイトも、場合によってはサポーターも
「あーこれで今日の試合の最大の目的は果たした。」
と、思ったのでは?
 つまり今日に限っては、
1.この試合に勝ったところでナビスコ予選を勝ち抜くことは
  もはや自力では不可能で、すごく困難なこと
2.かりに勝ち抜いても、それによってアジア・チャンピオンズ・リーグの戦いが苦しくなること
3.ナビスコ・カップは、タイトルとしてもはや、さほど魅力的ではないこと
ということがあってチームの中で
   高原選手のゴール>試合の勝利
という不等式が成立してたんじゃないかなー。
 でも、今までレッズの応援をしてきて、一番感動したのは
2003年11月3日、雨の国立競技場で、鹿島アントラーズに勝って
チーム初タイトルであるナビスコカップを手に入れた時です。
 このことを、ナビスコのありがたさを、みんな、忘れちゃいけないぞー。

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