ギョーカイ用語
外来をやってると時々医療関係者の方もかかるわけで、
そういった「ギョーカイのヒト」は、
ひょっとしたことから、アレ、と気づくことがあります。
さすがにプルスがどうの、コートがどうの
などというヒトはいませんが、
(注:プルスはドイツ語で脈拍のこと、
コートは同じくドイツ語でウンチのことです。)
「夕べ、子供が熱発しまして・・・」
などというヒトは看護師さんかもしれません。
「発熱(ハツネツ)」は一般に言いますが
「熱発(ネッパツ)」はギョーカイ用語です。
別に「銀座」のことを「ザギン」と言ったり、
「六本木」のことを「ギロッポン」というような
わけでは無いでしょうが。
「発熱」と「熱発」はほぼ同じ意味ですが、
「ネッパツ」の方が破裂音が入る分、
緊急感、切迫感があり、
熱の上がり方が急激で、高い印象です。
「37.2℃程度の発熱があります。」
とは言うが
「37.2℃の熱発です。」
とはあまり言わない。
「術後の〇〇さん、熱発してます。」
と聞くと、
おお、ヤベえ、何とかしなくちゃ、と思うわけです。
他にはベロのことを「シタ」ではなく
「ゼツ」というヒトは医療関係者でしょう。
これは医療の現場では
「舌」と「下」をとりまちがえないために、
あえて「舌」は「ゼツ」と呼びます。
同じように術後に糸を抜くことは「抜糸(バッシ)」と言いますが、
歯医者さんだけは「バツイト」というそうです。
もちろん「抜歯」との混同を避けるためです。
そういえば「血液型」のことを「血型(ケツガタ)」と呼ぶのも
医療関係者だけですが、
あれはなんでなんだろう。
たぶん「血液培養検査」のことを「血培(ケツバイ)」と言ったり、
「血液ガス分析検査」のことを「血ガス(ケツガス)」と言ったり
することからの流れなんでしょう。
子供さんのアレルギー検査で採血するときに
「一緒にケツガタも調べられますか?」
と尋ねるお母さんがいると、
お、と思ったりします。
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