ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.02.24

インフルエンザの「グリグリ」

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 一旦、下火になったインフルエンザがまた流行ってきました。
今は、ほとんどがB型ですね。
 B型はA型に比べて高熱が出ない場合があるので、
そうと知らずに撒き散らしちゃうこともあるようです。
 先日来た、子供の患者さん。
「午後から熱が出てきました。」
「あー、周りにインフルエンザいます?」
「先週金曜日に、上の子が高熱を出して小児科かかったんですが、
翌日来て下さいといわれ、土曜日にインフルエンザの検査したけど陰性でした。
もう4日目なんですけど、まだ上の子は熱でてるんですよ。」
「ふーん、同じヤツですかねー。調べてみようか。」
ということで「グリグリ」。
「あー、薄いですがB型出てますね。インフルエンザですね。」
「えーーーーっ。」
と、驚くお母さん。
「6時間待たなくても、出るときゃ出るんですよ。
すると、多分上の子もインフルエンザだったみたいですね。」
「ええー、でも、陰性でしたよ。」
「どうやって検査してました?」
「鼻に、ちょこっと、あー、そういえばさっき先生がやったのとずいぶん違うかも。」
 そうなんです。
インフルエンザの検査、ちょこっと鼻に綿棒の先を入れたくらいでは出ないこともある。
鼻水が多いと、綿棒が鼻水だけ吸ってしまうから、出来れば鼻をよく吸引してから
(まあ、小児科では吸引できないからよく鼻をかませてから)
綿棒を鼻の突き当りまで入れてグリグリしないと正確に出ません。
 私は綿棒の端っこを折り曲げて「へ」の字の形にして、鼻の中を見ながら奥まで入れます。
途中で折り曲げると手が邪魔にならず、綿棒の先が見えるからです。
そして両鼻に一回づつ、鼻の奥の上咽頭という場所に突き当たるのを確認して「グリグリ」。
この「両鼻の奥のグリグリ」が、大事なのだ。
 実は、今シーズンあるメーカーが「新製品です」といって持ってきた綿棒があった。
従来品よりやわらかくなってて、鼻に入れやすい、という触れ込みでした。
ところが、試したところこれが全然ダメ。
上咽頭まで入れると、やわらかいので、そのまま曲がってどんどんのどの方へ入っちゃう。
突き当たらないので「グリグリ」が出来ないのです。
なので、ボツ!
臨床の場を知らないメーカーの失敗作でした。
 しかし、実際にあの手の綿棒使ってる先生、いるんだろうか?
いるとしたら、多分そこんちは、インフルエンザの診断率、低いかも。

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