ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2016.05.03

アデノウイルスの顔

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 3連休の前日、昨日2日は予想通りの激混みで、200人超え。

 

 

 

 

 

 

 そんな中、最近ちょくちょく見かける「アデノウイルス」感染症。

 

 

 

 

 

 

 熱の出た子供、中耳炎はなく、喉を診ると赤い。

 

 

 

 

 

 

 すると、いくつかの疾患を念頭に診断を進める。

 

 

 

 

 

 

 まあ、もっとも多いのは「溶連菌感染症」。

 

 

 

 

 

 

 これは、独特の「夕焼けのような」咽頭所見でかなり予想がつく。

 

 

 

 

 

 

 そこで、迅速キットで検査、陽性なら抗生剤、今のところのスタンダードは

ペニシリン系の抗生剤を10日間、第2選択はセフェム系を7日間となっている。

 

 

 

 

 

 

 原則として「溶連菌感染症」以外の扁桃炎はウイルス性が主体で抗生物質は無効なので対症療法で経過を見ます。

 

 

 

 

 

 

 ただ、アデノウイルス感染症は、学校伝染病なので出席停止措置になり注意が必要です。

 

 

 

 

 

 咽頭所見はビミョーに違う。

 

 

 

 

 

 発赤よりも白苔が目立ち、扁桃腺に白ゴマをふったような所見。

 

 

 

 

 

 

 

 眼症状があればさらに疑いは強まるがこれはない場合も多し。

 

 

 

 

 

 こりゃ、アデノくさいなあと思ったら、まずアデノウイルスの迅速検査を行う。

 

 

 

 

 

 ヘルパンギーナや手足口病、伝染性単核球症迅速検査は今のところないが、アデノはあるので。

 

 

 

 

 

 コレが、ズバッと当たるとかなり内心ウレシイ。(^^)v

 

 

 

 

 

 (おそらくドヤ顔で)「○○ちゃん、アデノウイルスですねー。」というと、

お母さんは「へー。」という表情。

 

 

 

 

 

 

 しかし残念ながら、溶連菌やインフルエンザと違い、これがわかったところで薬はありません。(-_-;)

 

 

 

 

 

 

 というと、なんだー、という表情。

 

 

 

 

 

 

 それでも高熱が5~7日続くのでアデノウイルスとわかっていれば親御さんは安心です。

 

 

 

 

 

 

 潜伏期は5~7日、接触、飛沫で感染しますが、ウイルスは長く糞便中に出るので解熱後も要注意。

 

 

 

 

 

 

 コクサッキーウイルス、エコーウイルスと並んで「夏風邪」の主要なウイルスなので

これから、夏にかけて増えることが予想されます。

 

 

 

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