ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.12.05

アウェイの洗礼

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 きっかけは、酒の席。
 半月ほど前、飲み会で2次会にあるスナックに行ったところ、
そこにいたのが、3人の歯科の先生。
 薬局の小峰君が、歯科の先生の薬なんかも請け負ってることもあって、顔見知り。
 「やー、一緒にどうぞ。」
 ということになって、飲んでるうちに、彼らがフットサルをやってることが判明。
あー、僕らもやってるんですよー、といったら
「今度、試合しませんか?」
との申し入れ。
 これは、受けて立つしかないだろー。
酒も入ってたので、「やりましょう。」と返事をしてしまった。
「いいんですか、先生。ウチはユニフォームもそろえてるんですよ。」
げっ、ユニフォームまで!
「それも、2着目ですぜ。1着目はリバプール、今のはニューカッスルですぜ。」
おお、プレミア・リーグ、何と、2着目、これはかなりの強豪と見た。
・・・・・しかし、何でニューカッスルなんだ?チェルシー、アーセナル、マンUあたりならわかるが。
 試合が近づくにつれ、次第に不安が高まる。
歯科の先生、若いからなー、ボロ負けだったらカッコ悪いなー。
 そして迎えた試合当日、我々は初めてアウェイの洗礼を受けることになる。


 おぐじびフットサル2008年 最終戦
 足利ニューカッスル・デンティスツ  7-7   おぐじびユナイテッド   (ナカムラスポーツ)
                    (1st 2-1)
                    (2nd. 2-1)
                    (3rd. 3-2)
                    (4th. 0-3)


 「あれー、確かこの辺だったんだが・・・。」
 約束の8時、車で試合場のナカムラスポーツへ向かうが、近くに行っても
全然、それらしい施設がない。
 地図とか確かめなかったが、その辺行けばナイターの元で、
その前のチームが試合とかしてるから、すぐわかるだろう、
と思ってたら、全然見つからない。
 同じとこを、ぐるぐる回ってると、なんか暗闇の中に人が集まってるスペースがある。
恐る恐る、車を入れると
「先生、ご苦労様でーす。」
などと、声をかけられる。
暗闇でよく分からんが、歯科の先生みたいだ。
 おお、ここで良かったのか。それにしても、何故真っ暗?
よく見ると、暗闇の中に人が大勢いて、まるで初日の出を待つ登山者みたいだ。
 
「管理人がまだ来てないんですよ、確かスイッチあの辺なのでつけてみます。」
と、モンチッチ金盛がいきなり電柱を上り始めた。
 スイッチ、照明塔の上なの?
 ようやくスイッチが入り、照明灯に灯が入った。
 ゆっくりと、明るくなってきたピッチを見て我々は仰天した。
「何だー、この地面はー。」
 我々はいつも佐野の「フットエナジー」という施設を利用している。
きれいな人工芝のコートが2面あって、いつも満員。
ナカナカ予約が取れない。
管理棟はショップやシャワールームの他、フィットネスなどの施設も整っている。
 しかし、ここは、土のグラウンドの上に、カーペットというかシートというかなんかが張られている。
一昔前の公営プールのプールサイドに張られていたようなやつだ。
しかも、あちこち継ぎ目がほつれて、めくれている。
おまけに表面には、泥がコケのようにつていてツルツルだ。
 「先生、このグラウンド、ヤバいっすよ。」
 うーん、これがアウェイの洗礼ってやつか。
しかし、こんなグラウンドがあるとは・・・。
アジアはまだまだ広いということだ。
(いや、ここ足利なんすけど。まあ足利もアジアだけど。・・・)
 ところが、歯医者軍団デンティスツはさすがホーム・チームだけあって
全然、動じてない。
ヨユーでタバコなんか吸ってる。
(医者でタバコ吸う人は、さすがに今は少ないが、歯医者さんはまだまだ多いみたいです。
磨けば、大丈夫、ってか。)
 おお、まさにアウェイ。
ここは、ドーハか、バーレーンか。
心なしか、コーランかなんかが聞こえてきそうだ。
 「それじゃあ、15分ハーフにしますか、10分にしますか。」
相手の監督が聞いてくる。
「あ、じゅ、10分でお願いします。」
 完全に向こうにペースを握られてる。
 キック・オフ。
 うー、こりゃつええー。
軽快なパス回し、動きも早い。
我々は、3回以上パスがつながることなど、ほとんどないのに
ワン・タッチ、ツー・タッチで回してくる。
ポスト・プレーとか、ワン・ツーとか、手数も多彩だ。
 当たりも強い。
スライディングなんかする奴もいる。
キーパーの反応もめちゃくちゃいい。
 そして、何よりも問題は、
・・・・グラウンドが、滑る。
 キックの立ち足は滑るし、走り出すと、止まるのが大変、
それより走り出そうとすると滑ってしまう。
へんな筋肉使うので、ヤバイ。
慣れないピッチで大苦戦。
 我がジャイアント田所も、ゴールを死守し、ファイン・セーブを連発するが
先制を許してしまう。
 その後、一旦追いつくが、再びリードを許しファースト・クォーターを終了。
 「歯医者、強いっすよ。」
 「守りが、堅いな。」
 「おお、硬い、硬い、さすがエナメル質だ。」
 「俺の鼓膜切開刀くらいじゃあ、傷もつかねえ。」
 「歯科には、歯が立たないってことですね。」
 「向こうは歯医者、こっちは敗者なんちて。」
 「シャレてる場合じゃねえ。奴らには、戦術があるな。」
 「セット・プレーとか、約束、決めてますよねー。」
 そーいや、我々には、戦術や作戦というものはかつてなかった。
いや、厳密にはひとつだけ、
「メタボ高橋を、相手チームに入れる。」
という、セコイ作戦があった。(バック・ナンバー『伝説の男』参照)
その高橋も、今日は不参加。
(実はこっそり相手チームにレンタルしようという作戦もあった。そりゃ、セコ過ぎだ。)
 「ハイ、休憩は3分です。」
 3分?えー、短い!
我々はいつも10分やったら10分~15分は休む、というペースでやってきたのに・・・。
 ディフェンスラインに、必ず一人残すことにしようとか、サイドを使おうとか
多少の確認をして、試合再開。
 モンチッチ金盛と、ナカノ1号の活躍で、徐々に盛り返すが、やっぱり点差は開いてく。
ブラックジャック亀井も、前線から懸命に最終ラインまで走って戻って体を張って守る。
(相変わらずこの先生、元気だ。明日は仕事ないのか?)
 ヘリコ堀越は、結婚したのにまだシュートは枠外。
やはり、こやつ、独身時代が長すぎたか。
 ナカムラ校長もメガネを壊して戦うが、相手フォワードを止められない。
 シャクハチ松っつあんのバックヘッドも意味がない。
 ウシオダ相良は、途中からグランドコート着て、ショーグンとともにコーチのような振りをしてる。
 パレスチナ塩野は、中東出身の利を生かしきれない。(どーいう意味?)
 そして、今日はクラウチが不調。決定機をはずしまくる。
 で、ハーフ・タイム。
 「負けたほうがここのコート代を払う、ということにしましょう。」
 「ハイ。」
 「次から、15分にしますか?」
 「ハイ。」
 もう、すべて、相手の言うがまま。
 「じゃあ、休憩2分です。」
 に、2分?休憩、短くなってるし!
 3rd.クォーターは、ようやく私もゴールを決めるが、相手はセットプレーから
すごいシュートを決めてくる。
キック・インからのボールをジャンプしてヘッドでコースを変えてゴールなんて、素人の技じゃねえ。
 最後の4th.クォーターを残して4-7と大きくリードを許す。
向こうのベンチからは
「まだまだ、攻めて、ダブル・スコアにするんだ。」
なんて、監督の檄(ゲキ)が聞こえてくる。
 おー、このままではコート代払わされる。
 「いや、先生、まだ、これからです。盛り返しましょう。」
おー、モンチッチ、頼もしいぞ。クラビットより頼りになる。
 んで、4th.クォーター。
我々の怒涛の反撃が始まる。モンチッチが遠目から強烈なシュート。
ポストに当たって相手ゴールへ。
サイドからのクロスを、私が決めて6点目。自身、今日2点目だ。
あと一点差だ。
 その後、再び連携からついに、同点!
 そして、終了間近、サイドからのボールが、ゴール前のクラウチのところへ。
どフリー、キーパーと1対1。
誰もが決まったと思ったが、何とシュートはキーパーの正面。
 で、そのままタイム・アップ。
 死闘は、結局ドローに終わった。
 「イヤー、オグラ先生、楽しかったですね、またやりましょう。」
 「そうですね、ありがとうございました。」
 「このコート、今度地面の張替えでしばらく閉鎖するそうですから、
 今度は先生たちのやってるとこでやりますか。」
 そうか、今度はホームゲームだったら、勝てるかも。
と、思ったところにモンチッチが
「先生、芝の状態いいと、かえって相手の実力が発揮されてヤバクないすか。」
そ、そうだったー。
じゃあ、今度はわざと雪が降った日かなんかにでも、やるか。
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