ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.10.06

ほねつぎの話

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 たまたまインターネットで見た、医師専用サイトで「整骨院」のことが議論されてました。
 「整骨院」、一般には「接骨院」とかいわれるやつですね。
私の小さい頃は「ほねつぎ」なんていってましたね。
 そこで議論されてたのは、整骨院の保険の不正請求がひどいと。
 ちょっと前まで、整骨院で保険が使えるなんて知りませんでした。
捻挫、脱臼などの急性疾患に使えるらしい。
 それが、肩こりや腰痛などの慢性疾患に「急性」の病名をつけて保険請求してるらしい。
 こりゃ、ひどいですね。
 保険診療は、日本の医療の世界に誇れるシステムなので、
まじめに維持していかなくてはいけません。
保険の無駄遣いは厳に戒められるべきです。
 また、本来は整骨院の対象にならないような疾患も扱っちゃうとこもあるとか。
 なんでも「柔道整復士」の資格は比較的簡単に取れるらしい。
 我々耳鼻科の現場では、通常そういった患者さんはありませんが、
真面目な整形外科医の方は頭来たり、あきれたりすることが、けっこう日常的に多いのでは。
えー、あんた、接骨院行ってたのー、なんて。
 それこそ、我々が
「この医者はただの風邪なのに必要のない抗生剤なんか出しやがって、ったくもう。」
などと思うのとは、1ランク、2ランクもレベルが違うでしょうね。
 何せ、接骨医は医者ではない。
整復はプロでも、疾患や医学に関しては素人なんですからね。
 整形外科医でなくて良かった。
 多分、いろいろ不幸なことなんてのもあるんでしょうね。
ああ、もっと早くウチに来てれば、なんて。
 そういえば、大学の時、解剖学の「骨学」の授業で教授が
「君たちも、医学生であるからには接骨院いくようなバカなまねはしないように。」
なんて、言ってたなー。
その直前に捻挫かなんかで接骨院かかったT君はあせってたけど。
 まあ、脱臼の整復なんかは、それこそ整形外科の新人よりは上手かったりするかもしれませんが、
やっぱ、それ以外は怖いですね。
 真面目に自分の領域のことだけをきちんとやってる整復士の人も多いとは思いますが、
分けのわかんない理屈で、怪しい治療行為をやってるとこもあるでしょう。
 下手すると耳鼻科の患者さんだって
「あなたの耳鳴りは骨盤の歪みからきている」
なんていわれた日にゃあ、まいっちゃいますね。
 でも、そんなデタラメなこという整体士もいないとはいえない。
 そういや、私の中学時代の同級生にも一人いますね「柔道整復士」。
まあ、そいつはウチが道場で、柔道教えてるんで、
別に怪しい「整体治療院」とかではないですが。

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