ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2018.05.19

その後のブラックペアン

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ちょっと前にテレビドラマ「ブラックペアン」について書きましたが、

この件で医者向け掲示板はちょっとした議論になってまして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

問題はコレです。

日本臨床薬理学会、TBS「ブラックペアン」に抗議

ドラマに登場する治験コーディ―ネーターの描写があまりにも現実とかけ離れ過ぎていて

視聴者及び実際に治験を受けようとする患者さんに誤解を与えるため、

ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これについて、ネットのお医者さんの意見は2分しており

「まったく、その通り、ケシカラン」

というものと

「もともとありえないドラマなんだからそうメクジラ立てなくても」

というものがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもこの治験コーディネーターのくだりは、

原作にはないようなので、完全にTBSの演出らしいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、治験とはまだ承認されていない薬や治療法の効果と安全性を

患者さんの同意と協力を得て実際に臨床の場で検査する行為で、

全ての新規の薬、医療行為はこの「臨床試験」を経て一般に行われるようになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その治験コーディネーターというのはかなり新しい職種で

製薬会社と医療供給者が相談していて行っていた業務を

第3者的に調整する業務です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作のブラックペアンは読んでないのですが、

原作のタイトルが「ブラックペアン1988」とあるように

1988年が舞台なため治験コーディネーターは存在していないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

治験に関しては、ワタシ自身は大学病院時代にアレルギー性鼻炎を専門としていたため

アレルギー性鼻炎の新薬の治験にかかわった経験があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教室にいくら研究費が入ったかは知りませんが、

少なくとも教授はフランス料理の接待は間違いなく受けていないでしょう。

我々実際に論文にかかわった者も、東京で行われた検討会議に出ましたが、

どこかにメシ食べに連れてってもらった覚えはないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、旅費、宿泊費は出たので

この時グリーン車に乗って大変感動したことは鮮明に記憶しております。

なんせ、生まれて初めてだったもんで。(^.^)

高崎東京間だったのであっちゅう間でしたが・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、このドラマのことですが、

ワタシとしてはやはり世間に誤解を与えることになってはマズいのでは、

とは思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネットでは実際の刑事と刑事ドラマが別物であることはみんなわかってるでしょう、

などと書かれていましたが、

こと医療となると、ちょっと違うのでは、かと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なにせ、かつての「みのもんたの番組」に出てくる

アヤシイ医者のトンデモコメントを真に受けたり、

健康雑誌や、ホメオパシーや民間療法を

こともなく信用してしまう方々は実にいっぱいいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワレワレが見れば、まさかそれはねーだろ、と一笑に付すようなことでも、

信じ込んじゃう人が実際いるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかも、一般の方が刑事さんのお世話になることはまれ(?)ですが、

病気になって病院にかかることは普通にありますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このドラマはフィクションであり・・・、とテロップ入れても

どこまでがフィクションでどこまでが真実に近いのかは、

なかなかシロートにはワカラナイのでは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それならいちいちワンシーンごとに、

「実際には治験コーディネーターからはこのような多額の金銭の供与は行われません」

とか、

「治験コーディネーターが、このようにフランス料理や高級寿司店で接待することはありません」

とか、

「治験コーディネーターにこんな美人はいません」

とかテロップを入れなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうするとさらに

「この場合のように救急搬送された患者に対応する医者が研修医しかおらず

やったこともない救命手術を研修医がいきなりやることはありません。」

とか

「このように手術中に、で、できない、僕にはできないなどと絶叫する医者は実際にはいません。」

とか

「優秀な医者はこのようにタバコぷかぷか吸ってはいません。」

くらいまで、テロップを流さなければならなくなってしまう・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ワタシですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応、今まで全話見てます。(^.^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに一人ではわだかまってしまってキツイので、

必ず妻とツッコミ入れまくりながら見てますが、

何となくこの世界感に慣れてきたような・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それにしても葵わかなちゃんは病棟にもオペ室にも出没しますが、

いったい病棟のナースなのかオペ室のナースなのか・・(^^;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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