ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.02.05

あんな医者、こんな医者

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 昨晩はS病院の小児科のS先生と会食。
この先生、学会を機に知り合いになったんだけど、ホントいい先生です。
 診療方針といい、人柄といい、こーゆー先生が近くに開業してればなー、と思います。
 季節柄インフルエンザなんかの話題も多かったです。
特に、私がインフルエンザになった話はウケました。
 その時にも、した話なんだけど、このあいだ来た患者さん(大人、男性)で、
「近医にかかったがのどが痛く、熱が下がらないので来ました。」
という方がいた。
「何ていわれたんですか。」
「インフルエンザの検査をしたんですが、陰性でインフルエンザではないといわれました。」
「ふむふむ。」
「でも、タミフル飲んでください、といわれタミフルと解熱剤が出ました。」
なんじゃ、そりゃー。
で、診てみると「急性扁桃炎」しかも扁桃周囲膿瘍の一歩手前だった。
 何のためにインフルエンザの検査をしたかわかりませんね。
特に家族や職場にもインフルエンザの人はいなかった、って説明したんですけどねー、と言ってた。
まったく、とんでもない医者がいます。
 発熱の患者が来れば、はいタミフルなんっつて、ろくに説明も指導もしてないんだろうなー。
 S先生は子供の感染症もきちんと対応しており、風邪では絶対抗生物質を出しません。
当たり前なんですけど、そういう当たり前のことがわかってない医者が多いのも事実です。
「僕は抗生物質も出さない、熱も下げない、咳も止めない、外来で点滴もしない、
おまけに入院患者の抗生物質はビクシリンなので売り上げが上がらず
院長にはいい顔されないんですよー。」
と笑ってました。
 そんな話で昨夜は盛り上がり、夜遅くまで飲んでました。
 んで、気持ちよく今日の外来を始めると、
滲出性中耳炎の治療中の子が、
「先週、土曜日に熱が出て小児科に行って検査したらインフルエンザでした。」
「ああ、そうでしたか。」
「でもこの子0歳で、まだタミフル飲めないってことで熱が続いちゃいました。」
「そうねー、1歳未満は脳への移行の関係からタミフルダメなんだよね。
でも、インフルエンザはタミフルとか飲まなくちゃなんない病気じゃないからね。」
「ええ、それで、代わりに抗生物質が出ました。」
「!?代わりに、抗生物質が?」
あわてて、お薬手帳を受け取るとメイアクト4日分。
しかも、能書きどうりの通常量だ。BLNARとPRSPの乳児に。
また、ここにも困った医者が・・・。
「あのね、この子はインフルエンザなんだから、インフルエンザの治療をすればいいのよ。
タミフル飲めなけりゃ、水分・栄養補給と保温・保湿・安静で、経過観察だ。
インフルエンザに抗生物質なんておたふくの時に水ぼうそうの薬のむようなもんだ。
むしろウイルス同士だからそっちのが近いかも。(そんなことは無いけど)
0歳児がこんな、半端な抗生物質の飲みかたしたら、中耳炎治んなくなっちゃうぞ。」
てなことを、お母さんに怒ってもしょうがない。
 そもそも0歳の子に熱だけでその日に抗生物質を出すだけでもおかしい。
しかも、この場合はインフルエンザ陽性と出てるのに・・・。
 おまけにこの先生、その前にインフルエンザにかかったその子お姉ちゃんが
別の救急病院でタミフルが出なかったので(その病院はタミフル出さない派)
「何で、タミフル出さないんだー。」
と怒って、何故かやはりメイアクトを処方したという。
 S先生、やっぱこの近くで開業しませんか?

2件のコメント

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    ジスロマック分3でだす馬鹿もいます。
    しかし医師会ではお偉いさんだから...。患者の説明に困ります(ま、言っちゃうんだけど)

  2. SECRET: 0
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    医師会では重鎮!これやばいですよね。
    私の以前のブログ、「評判のいい病院」もご一読ください。
    http://ogujibi.blog110.fc2.com/category3-3.html

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