「犬吠様咳嗽」
先日のクループの話で出た「ケンケンの笑うようなセキ」。
医学用語では「犬吠様咳嗽」といいます。
文字どうり「犬が吠えるようなセキ」という意味ですが、
「犬吠様咳嗽」の読み方は?
正解は「ケンバイヨウガイソウ」です。
「犬吠埼」という地名があるので「ケンボウヨウ」と読みたくなりますが、
「吠」の字は訓読みはもちろん「ホえる」ですが、
音読みは「ハイ、バイ」ですので「ボウ」という読み方はアリマセン。
「いぬぼうざき」はおそらく「いぬ・ほえ・ざき」からの転化でしょう。
それでは「喘鳴」の読みは?
これは「ゼンメイ」が正解で、「ゼイメイ」は誤用です。
「喘」の字の音読みは「セン、ゼン」で訓読みは「アえぐ」です。
「ゼイゼイいう」ので、つい「ゼンメイ」といいたくなりますが。
それでは、喘鳴とともに粘稠な痰が出る、などの「粘稠」の読みは?
これは「ネンチョウ」と誤読しがちですが、正しくは「ネンチュウ」です。
実は「稠」の字の音読みには「チュウ」のほかに「チョウ」もあるのですが、
ここは「ネンチュウ」が正しい。
この字の訓読みはムズカシイです。
「稠い」は「オオい」と読んで
「おおい、しげる、びっしりと集まる、濃い」などの意味を表します。
まあ、この辺はけっこう誤用され、見過ごされています。
最後にこれはどうでしょう「喉頭蓋谷」。
喉頭蓋と舌根の間の谷間を指します。
「コウトウガイヤ」といいがちで、ワタシも以前そう読んでいましたが
正しくはどうも「コウトウガイコク」らしい。
「谷」の字の訓読みはもちろん「タニ」、
そして音読みは「コク」、渓谷の「コク」ですね。
では「ヤ」はどうなのか?
「渋谷」とか「四谷」とか「大谷石」とかの「ヤ」は?
これは、どうも「やまと言葉」由来の「訓読みの一種」になるらしい。
参考「漢字Q&A」。
なるほど。
これで「喘鳴を伴う犬吠様咳嗽があり、喉頭蓋谷に粘稠な痰の貯留を認める」
が、正しく読めるようになりました。(*^^)v
そもそも、漢字の読み、誤読はわりと気になる方で、
以前はこんなブログも書きました。
「易感染性の読み方」
もっとも、総理経験者で現副総理のあのヒトは誤読で有名で
「未曾有」を「ミゾユウ」、「踏襲」を「フシュウ」、「低迷」を「テイマイ」
と読んだらしいし、
現総理大臣にしても、ついこの間演説で「背後」を「セイゴ」と読んだらしいから、
漢字の読みなど気にするようでは、一国の宰相などは務まらないのかもしれぬ。
そういえば、当時「みんなの党」代表だったW氏が
足利に選挙遊説に来たとき、その演説の中で
「まさに、アクノスクツです。」
と言ってたが、たぶんあれは「悪の巣窟」のことだったんだろうなあ。
あのヒトも大物政治家の資質があったということか・・・・・・。
だから「みんなの党」はひらがなだったのかなあ。
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