ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.11.14

RSウイルス迅速検査の話


 最近マスコミでRSウイルスに注意、なんてことがよく報道されている。
 NHKの朝の番組でもやっていた。
 RSウイルスは依然とうブログでも紹介しました。
クリックして参照→「RSは何の略?
 要するに「かぜ」のウイルスなんですが、
報道を見るといかにも新手の感染症みたいな扱いで
やたら国民の不安をあおる内容になってました。
 1018_04_shinsatsu.jpg
(NHKホームページより)
 特にキャスターが
「普通の風邪と見分けがつかないところが怖いですね。」
のにはあきれた。
 だって、普通の風邪でしょうが。
 そもそもこの「流行」実際どうなんですかね。
 NHKのこのデータはどこのデータなんだ。
1018_03_graph.jpg
 風邪ひきが全国で1000人や2000人のワケないから、
定点観測施設のサンプルデータでしょうけど。
 まあ、注意するに越したことないし、
病気の存在を知っておくことは大事ですけど、
RSウイルスかどうか調べてください、って患者さんが増えても困る。
 実はRSの迅速検査キットは数年前に発売され、
3歳以下の入院患者に限って検査が認められていた。
 今回、10月17日から外来でも1歳未満の乳児での検査が
保険適応になったようです。
 そんなわけで、当院でも検査キット導入しましたので、
必要があれば検査いたします。
 どっちかっつーと、この「流行」は、検査キットの普及によるものも多いのでは、
とフト思う。
 風邪で入院した子供さんが、それまでは
お医者さんもRSウイルスだなあと思っても、風邪からの気管支炎・肺炎ですね、
などと言われてたのが
「RSウイルスが原因です」と断言されるようになったわけだし。
 ともかく、みんなかかる病気なんだから、
お母さん方や保育園の先生が過敏になって、
RS,RSと騒がないことを望みます。
 3週間くらいは感染力があるので、3週間保育園来るな、
というのはナンセンスだし。
 また逆に調子に乗ってやたらめったら検査しまくる先生が出ても困るなあ。
 インフルエンザと違って特効薬があるわけではないので、
治療法が変わるわけではない。
 わかったところで、せいぜい
「RSウイルスなので抗生物質は無効なのでいりません、
重症化に注意して、乳児に移さないように。」

って話をするくらいでしょうな。
 ところで、RSウイルスには注射がありますが、
これは低体重出生児、先天性心疾患、慢性肺疾患を持つ子供たちに
流行時に月1回予防的に打つものです。
 商品名「シナジス」ですが、これはワクチンではありません。
 ワクチンとは病原体そのものを弱毒化、無毒化したものを体内に入れ、
それに反応して体が病原体をやっつける「抗体」を産生するのを促すものです。
 「シナジス」は無毒化した病原体ではなく、「抗体」そのものです。
 だから打てば、その日から効果がありますが、
自分で作ったものではないのでいずれ体から消えてしまいます。
 フツーの予防接種とは違いますのでご注意を。
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