餅は餅屋
先日、同窓会のブログで、胃がんの手術なんかは、地方中核病院の部長クラスが一番うまい、
という話をしました。
何しろ、数多くの症例をこなしてる医者が、いいわけです。
ただ、世間一般では
大学病院>市中病院>一般開業医
という意識があって、この公式がすべての疾患に適応されると思ってる人がいる。
確かに、まれな症例とか、特殊な機器・設備がないと出来ない治療ってのは、大学病院に行くべきです。
でも、一般的な疾患は、やはりその手のものを最も多く扱ってる病院で見てもらうのが、安心です。
例えば耳鼻科でいうと扁桃腺の手術を大学教授にしてもらうほど危険なことはありません。
扁桃摘出術は、耳鼻科の研修医が比較的早い時期に習得する手術です。
しかし、ポピュラーな手術ではありますが、術後の出血などで致命的な合併症を起こすこともあり
やはり、術者の熟練と、施設、スタッフの経験が必要です。
通常、こういった手術は、大学病院で行われることはなく、
逆に、一般の市中病院では年間100人以上行われることもまれではありません。
私もかつて、いやんなるほど取りました。
以前、某大学(群馬大ではありませんよ)の教授が、執刀した扁桃腺の手術で
退院後、自宅で大出血を起こし、
(その手術した病院が遠方だったため)群馬大の関連病院で緊急手術を行い
10リッターくらい輸血してなんとか一命を取り留めた、という話を聞きました。
おそらく、その教授は何10年も、扁桃摘出術やったことがなかったんでしょうね。
指導医がつく分、研修医が執刀する方が、まだ、安全でしょう。
まさか、教授の手術では、あれこれ口や手を出すわけには行きませんからね。
同じような意味で、子供の中耳炎があります。
これは、もちろん大学病院に行くことはありませんが、市中病院で見ることも少ないです。
外来担当医が、曜日ごとに変わるとこでは、無理でしょう。
やはり、ウチみたいな開業医が、数こなしてて、一番技術的には高いんでしょうね。
今日、午前中にウチで耳にチューブ入れる手術をした1歳のSちゃんも、いろんな病院回って
「もう、使う薬がない。」
なんて、いわれたそうですが、
外来で、ほかの患者さんの合間に
0歳、1歳の子に局所麻酔で長期留置型の鼓室チューブ留置術やってると聞いたら、
病院の先生方は信じないかもね。


コメント/トラックバック トラックバック用URL: