ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.03.02

花粉症の検査と発症

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 あしひきの山鳥の尾のしだり尾の 
         長々しハナを一人かむなむ

 【解釈】(花粉症で)山鳥の尾のように長い長いハナ水がいつまでも切れず一人かむのだなあ
 【解説】「あしひきの」は「山(山鳥)」にかかる枕詞
     「山鳥の尾の」山鳥」はキジ科の鳥で雄の尾が非常に長いと言われ
     「長いこと」を表す時に使われる。
     「の」は連体格助詞で「…で」や「…であって」の意味。
     全体で「山鳥の尾であって」のような意味になります。
     
     「しだり尾の」「しだる」は「下に垂れる」という意味の動詞で
     連用形「しだり」に「尾」が付いた名詞。
     「の」は「のような」の意味の格助詞で「下に垂れる尾のような」の意味。
     最初からここまでが、「長々し夜」を導き出す序詞になります。
     大変くどい言い回しですが、
     それが、花粉症のかんでもかんでも出てくるハナの忌まわしさを
     強調した形になっています。
     枕詞は次の語句を引き出すもので決まっています。
    <用例>「あしひきの」⇒「山、峰」
       「あおによし」⇒「奈良」
       「ぬばたまの」⇒「髪、黒、夜、夢」
       「おぐじびの」⇒「ロックな耳鼻科」
       「むなげぶる」⇒「ガッツなベース」


 先週木金あたりから、この地方でも花粉の本格飛散が始まり、
いよいよ来た、という感じであるが、
やはり飛散開始は「平年並み」だったので、
2月の中旬くらいだと思うから、その辺から薬始めてねー、
と呼びかけてた患者さんたちはちょうど良かったことと思います。
 さて、バンドの話ばかりでは申し訳ないので、
少しためになる話を。
 病院に行くと血液をとってアレルギーの検査をすることが多いと思います。
 これは IgE という物質を測定しています。
 IgEは免疫グロブリンの一分画で本来体を守る免疫系のパーツなのですが、
体の「誤解」により、無害な物質を攻撃してしまう物質です。
 この「無害な物質」がスギ花粉だったりヒノキ花粉だったり、
ハウスダストやイエダ二などで、これらは「抗原」と呼ばれます。
 「抗原」なんて言うと「悪の元凶」みたいなイメージですが、
被害妄想に陥った人体が誤解のもとに
「くしゃみ」「鼻水」「鼻詰まり」「流涙」で「攻撃」を加えるものなので、
花粉側にしてみれば迷惑千万な話です。
 さて、ここで今回言いたいのは、
スギIgE抗体価が高い≠スギ花粉症
ということです。
 スギ花粉の侵入によって体がIgE抗体を作っても、
まだそれだけでは花粉症になったとはいえないのです。
 完全に解明されてない面もあるのですが、
アレルギー発症のためには、もうワンステップが必要です。
 多くの方は抗体上昇から速やかに発症しますが、
抗体が陽性のまま発症しないヒトもいます。
 だから、血液検査で「スギ花粉症です」といわれても
今まで花粉症の症状が出たことが無ければ、
花粉症の薬を飲む必要はありません。
 そのかわり、さらなる花粉の吸入によって、すぐにも発症する可能性があるので
花粉症のヒトと同様に、マスク、コート、帽子、眼鏡などの
「花粉防御」は厳重にすべきです。
 一旦発症しちゃうともう、戻れませんから。
 その最後のステップにインターロイキンという物質がかかわってるという説があるので、
これをブロックする「アイ・ピー・ディー」という薬は、
この時点の患者さんにひょっとして有効ではないかと個人的には考えているんですが、
確証が無いので特にお勧めしていません。
(高い薬だし、マスクの方がゼッタイお勧め)
 この間聴いた講演では、
抗体陽性者のアレルギー発症は50歳を境にぐっと確率が減る、そうです。
 実は、家族内で唯一花粉症の無い私、
今、51歳なので、もはや、逃げ切ったか?
(そりゃもうトシだってことで、ちょっとサビシイ面も・・・・。)
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