ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2011.03.09

肺炎球菌ワクチンについてのご質問がありました

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 コメント欄にこんな質問をいただきました。
 いつも拝見しておりますが、初めて書き込みさせていただきます。
耳鼻科漬けの子持ちには大変勉強になるブログで助けられております。
さて、我が家の1歳2カ月時、まさに5日土曜日にプレベナーの追加接種(4回目)を打とうとしていたところに中止の事態。これまで3回打っているとはいえ、効果のほどはいかがなのでしょうか。髄膜炎自体も怖い病気なので、保育園児の母としてその点が心配です。

 大変いい質問です。
 外来でも似たようなご質問を受けましたので、ここで採りあげてみます。
 さて、結論から言うとその点に関してのデータは手元にありません。
 だから、確定的な事は言えませんが、ある程度の推測はできます。
 そもそも、予防接種とはどんなものか。
 これは、病原性を持った微生物を無毒化あるいは弱毒化させて
体内に取り込ませ、それを体が認識して「抗体」という
微生物を攻撃する物質を作らせることが目的です。
 ただし、一回の毒を抜かれたモノでは、体がきちんと認識しないかもしれない、
また、ちょっと認識してもじきに抗体をつくるのをやめちゃうかもしれない。
 というわけで、2回目3回目の接種をするわけです。
 これをブースター効果といいます。
 ということは、お子さんは3回の接種を受けて、
ある程度抗体ができてると考えられます。
 一方保育園に行っておられるわけで、
世間的にも肺炎球菌のブーストは受けてるかもしれません。
 なぜなら「肺炎球菌」は麻疹などと違って、
フツーにそこいらへんにいる微生物だからです。
 つまり4回接種とされてるのは、
4回打たないと完成しない
のではなく、
4回くらいは念を入れときたいです
という意味なのです。
 またここで、年齢的な意味もあります。
 プレベナーは年齢とともに4回接種、3回接種、2回、1回となっています。
 これは、小さい子ほど細菌性髄膜炎のリスクが高く、
年齢とともに少なくなるので、まあ2歳超えれば大丈夫でしょ、
その間に肺炎球菌も多少経験してるかもしれないですし、
ということからきています。
 ということで、導き出される推測は
「万全ではないが、かなり効いている。」
と考えていいのでは。
 
 まあ、3回は打てて良かった、まずまず安心、というところでしょうか。
 逆に、もちろん4回打ったところで万全とはいえないのですから
油断は禁物なんですが。
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1件のコメント

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    ご回答ありがとうございます。
    かみ砕いて説明いただき安心できました。
    油断禁物とはいえ、予防の手だては予防接種のほかありませんものね…。
    先生のブログを初めて拝見したのは、子供が急性中耳炎を繰り返して、かかりつけの耳鼻科医から局所麻酔による鼓膜チューブ留置を勧められたときでした。
    「こんな小さいのに手術なんて…」と、パニックになっていましたが、小倉先生の分かりやすい文章を読むことで、セカンドオピニオンを受けたような気持ちで手術を決心することができました。そして今では留置して良かったと思ってます(風邪引くと耳だれは出ますが、中耳炎で痛い思いをさせるよりはいいです)
    ドクターショッピングはしたくないけど、かかりつけ医を信じていいのか分からない…というとき、こういった現役のお医者さんのブログはとても参考になります。
    今後も愛読させて頂きますので、ご無理のない範囲で続けて下さると嬉しいです。

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