ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2010.02.23

眠くならない薬

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 君がため春の野にいでて若菜摘む、わが衣手で鼻をかみつつ
 【解釈】あなたに差し上げるために春の野に出て草を摘んでいると(花粉が飛んでいるので)私の着物の袖でしきりにハナをかみつづけている。
 【解説】作者は意中の人のために野草(通常春の七草の類)を摘んでいるのだが、花粉症を持ってるため
鼻水が出て、大変つらいさまをわかってほしいな、との思いを込めている。
  「きみがため」:「きみ」とは意中の恋人と考える。あなたのために。
    <用例>わがため⇒わたし(自分)のために
       子がため⇒(我が)子のために
       回転エビがため⇒回転エビのために
    <比較>きみかため、白身とろとろ温泉たまご
 衣手に降っていた雪も上がり、そろそろ花粉症に季節が来そうです。
 今週から、花粉が飛びそうです。
 花粉症の薬というと眠くなる、という人が多く、これで治療をあきらめてる人もいるようです。
 実際、かつては花粉症の第1選択である「抗ヒスタミン剤」は眠いものが多く、
今も市販の薬はほとんどこの眠くなる古いタイプ
(分類上は第1世代の抗ヒスタミン薬)ですが、処方される薬は
いわゆる「第2世代の抗ヒスタミン薬」と効き目が強く、眠気の少ない洗練された薬です。
 中には全く眠気のでないタイプの薬もあります。
 一般には薬の注意書きに「自動車等の運転に対する注意」が記載されているのですが、
この薬に関してはそれが無く」、一応航空機のパイロットの人が飲んでもいい、となってます。
 まあ、効き方と眠気の出方はある程度比例関係にありますので、
耳鼻科医と相談して「自分にちょうどいい薬」を見つけることが大事です。
 まあ、花粉の飛ぶ時期はあったかくてネムイので、
「眠気」が必ずしも薬のせいでない場合も少なからずあるのでご注意を。
 さて、以前こんな話がありました。
 患者さんは花粉症ではなくハウスダストなどの通年性アレルギーのご年配の女の方なんですが。
 ある薬を出したところ、効果はいいけどちょっと眠い、というお話だったので、薬を変更しました。
「じゃあ、こっちの薬にしましょう。この薬は全然眠くなりませんから。」
 と、先ほど述べた薬を処方しました。
「本当に眠くならないんですか?」
「ゼッタイ、眠くなりません。」
 ・・・2週間後、
「どうでした。眠くならなかったでしょう。」
「先生、やっぱり前の薬にしてください。」
「効果が弱かったですか?」
「いえ、それはいいんですけど、
この薬、眠くならないという薬なので、これ飲むと夜眠れなくなっちゃうんです。」
 いや、眠くならない薬って、コーヒーとか覚せい剤みたいに
眠くならなくする薬じゃないんですが。
 ゼッタイ、眠くならない、ってそーゆー意味じゃ無かったんだがなー。
 なんか変な暗示がかかっちゃったみたいだけど、
患者さんのご希望で元の薬に戻しました。
 うーん、日本語、難しいです。
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