症状と診断
子供が耳を痛がると中耳炎、外耳炎のことが多いです。
プール開きになり、全般に耳鼻科の外来は空いていますが、
最近、流行っています「溶連菌感染症」。
先日、来院した4歳の男の子。
午後から耳が痛い、とのことで受診しました。
だが、耳垢をとって診てみても、鼓膜外耳道には異状なし。
そして、のどを診てみますと、案の定、扁桃腺が腫れています。
迅速検査で診断は溶連菌感染症。
抗生剤で症状はすぐとれますが、24時間の出席停止、
抗生剤は症状が消えても10日間内服し完全に除菌します。
扁桃腺の痛みを耳の痛みと感じることが多い、
というのは以前のブログ「耳痛の原因」で書きました。
溶連菌の症状は咽頭痛、嚥下痛、発熱ですが、
子供さん、特に乳幼児の場合はのどの痛みがわからないこともあります。
ここ最近、何人かいるのが、
熱が出て急に嘔吐したので小児科にったら胃腸炎といわれました、
というお子さん。
そんなの子のノドを診てみると、
溶連菌特有の「夕焼け状」の発赤を見つけることがあります。
迅速検査で溶連菌強陽性。
1,2歳の子供はのどの痛みが表現できず、
よだれや嘔吐が主症状になることがあります。
なので
「急な発熱と耳痛」が、急性中耳炎でないこともありますし
「発熱、嘔吐」⇒「急性胃腸炎、吐き気止め」
は、必ずしも正しくない可能性が、特に小さい子の場合は多いといえます。
そもそも、いまだに
「発熱」⇒「抗生剤」「解熱剤」
「セキ」⇒「セキ止め」
「感染性の下痢」⇒「止痢剤」
などという、間違ったステロタイプな処方をする
小児科の先生がいるので、がっかりしちゃいますが。


コメント/トラックバック トラックバック用URL: