水いぼ
スイミングの先生からいきなり質問を受けた。
「先生のところは、水いぼの方、来ます?」
そりゃ、皮膚科で水いぼ治療中です、っていうお子さんはいっぱいいますけど
ウチは耳鼻科だから、水いぼの治療に来る方はいませんよ。
季節がら、スイミングスクールの父兄から
水いぼに関する問い合わせが多いらしい。
水いぼとは「伝染性軟属腫」のことで、
「伝染性軟属腫ウイルス」によって起こる感染症である、
ということくらいは耳鼻咽喉科医のワタシでも知っています。
いぼへの接触でうつるが、
ウイルス感染なので、いずれ抗体ができて治るわけで、
この辺、おたふくかぜや水ぼうそうなんかと一緒。
ウイルスで、ヒトにうつるが、自力で治る、という点では
普通の風邪と同じともいえます。
ただ、プールでうつる、というウワサがあるので、問題にされるわけです。
ホントのところはどうなんでしょう。
「学校感染症 第三種 その他の感染症:皮膚の学校感染症とプールに関する
日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会の統一見解」
ということらしい。
つまり、「プールの水ではうつらない」
「タオル、浮き輪、ビート板を介してうつることがある」
ということですね。
なーんだ、大丈夫じゃん。
と、思いますが、事情を複雑にしていることがいくつかあるようです。
ひとつは、ウイルスに感染してから発症までの期間が長いことと、
自然に治るまでに6カ月から3年を要する、という点。
風邪なら、3日、おたふくでも1週間で治っちゃうけど、
半年から3年は長い。
~1年半、とかいてある文献もあるが5年というのもありました。
さらには、治療法が確立してないこと。
治療はホームページにあるように大きく3つあるようで、
①ピンセットなどでむしりとる
②自然治癒を待つ
③薬物療法
ですが、自然治癒には時間がかかる場合が多いし、
クスリははっきり言って効いたんだか、
自然に治ったんだかわからない程度の効果だし、
むしりとるのは、相当イタイ(らしい)。
耳鼻科の処置が痛くてキライな子が、でも、いぼ取りの方がもっと痛かった、
と口をそろえていうくらいですから。(笑)
そして、どの治療法が良い、とはどのホームページにも書いて無く、
最適な方法を皮膚科の先生と相談して下さい、などとお茶を濁してあります。
ちなみにウチの子が小学生のころ水いぼになった時は、
しばらくテープ貼っておいて、そのうちに消えちゃったようでした。
そもそも、いぼってすぐ見てわかっちゃうし、見た目が良くない。
風邪のセキなら、マイコプラズマのセキかRSウイルスのセキかなんてことは
ワカラナイし。
神経質な親御さんもいるんで
なかなか、学校側、スイミングスクール側の対応は厄介でしょうね。
誰とかちゃんからもらった、とか、
ウチの子は痛い思いをして一生懸命治療に通っているのに、
あそこの家は、ほったらかしだ、とか。
イジメに発展することなんかもあるかもしれませんね。
まあ、当院は耳鼻科なので、水いぼの治療しなくて済むので良かった
と思うような、メンドクサイ病気ですね。
無責任でスイマセンが、早くもっといい治療法が確立されるといいですね。
ワクチンとかできないのかな。


今の皮膚科の先生は水いぼを取りませんね。
私が大昔(37年前)に皮膚科をローテーションをしていた頃は研修医の仕事は
子供の水いぼ取りでした。鉗除用の特殊な攝子があって、子供を押さえつけて
パチン、パチンと音を立てながら取ってました。一時的に出血しますが数日で上皮化しました。
自分の子供が罹患したときも押さえつけて大泣きしましたが同様の処置をして終了。
当時は水いぼがあるとプールは禁止でしたから。
いくら自然治癒するからって長期に放置するのも?な感じですね。
零細耳鼻科様
コメントありがとうございます。
なんと、取ったとことがある!
研修医の仕事ですか、あるあるですね。
たしかに、鼓膜切開なんかと違って特殊な技術やリスクはあまりなそうですからね。
パチンパチンと音がするんですか。
3年待つのはしんどいですね。
ただ、別の皮膚科医の先生のホームパージでは大半は半年以内と書いてあったんで
それくらいなら待てますね。
どれくらいで治るか知るマーカーとかもないのかなあ。