春は悲しき
奥山にスギを踏みわけ入る人の くしゃみ聞くときぞ春は悲しき
【解釈】山の奥のスギの中に分け入っていく人が(スギ花粉症があるので)大きなくしゃみをして山に響き渡る。
その音を聞くとああ、春が来てしまったんだなあと悲しくなるのだ。
【解説】静かな山に響き渡る花粉症患者のくしゃみ。
その音に作者は、春が来たこと、花粉症の季節が来たことを実感している。
悲しい思いになるということは、作者自身が花粉症患者、あるいは耳鼻科医であることをしのばせる。
「春ぞ悲しき」は「~ぞ…しき」の係り結びである。
係助詞「ぞ」は意味を強める言い回しで連帯形の「しき」にかかる。
<用例>君ぞ恋しき⇒あなたが(特に)恋しいのだ
散るぞ悲しき⇒散ってしまうことが悲しいなあ
鼻ぞ苦しき⇒鼻が苦しいよう
でぞめしき⇒でがめしいなあ
結局今シーズンは私の予想通り季節性インフルエンザは流行しないまま、
春を迎えましたね。
スギ花粉も昨年より約1週間遅くシーズンインしました。
外来も発熱者より、花粉症疑い&急性中耳炎が多いですね。
特に花粉症は、マスコミが今年は軽い、といって話題にしなかったせいで
油断した人たちがあわてて薬を取りに来ています。
耳鼻科医は苦しい季節だ。
午前中も遅くまでかかるが昼休みは午後の外来に備えてひたすら寝ている。
しかし、まだ「花粉症の注射」をしてる施設があると聞いてビックリ。
以前も書きましたけど「シーズン前に一本打っとけばOK」ってのは
ステロイドの筋肉注射だから、絶対打ってはダメよ。
免疫抑制されて、花粉症も出ないけど他の病気に対する抵抗力もなくなっちゃう、
「人工エイズ」 みたいなもんだからねー。
まあ、花粉症のシーズンは始まったばかり。
皆さん、くれぐれもマスクなしで奥山に入らないように。
(それよりわざわざそんなとこ行くんじゃねー)


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