春の心はのどけからまし
「世の中に 絶えて花粉のなかりせば 春の心はのどけからまし」
この季節になると、いつもこの歌が、何回も頭に浮かびます。
もと歌はもちろん在原業平の
「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」
解釈:この世の中に桜の花がなかったならば(咲いたり、散ったりで、心を悩ますこともなく)春を、のどかな気持ちで過ごせるだろうに。
という「古今和歌集」にある歌ですが、(高校のとき、習いましたねっ。解釈、これであってますか、熊倉先生?)ホンッとにスギ花粉がなければ、春はどんなに楽しいでしょうね。今日も、朝から70人待ち。ウチはインターネット受付なので待ち人数と診療終了人数が、常にコンピューターに出るんだけど、何人診ても待ち人数が50~60人から変わらず
。
もっとも、いつもインターネットをうまく利用してる人たちは10~20分程度の待ち時間で呼ばれている。でも、なかには、ネット予約になれてなかったり、知らなかったり、できなかったりで運悪く長くお待たせしてしまう方もこの時期多くいて、申し訳ない。
ともかく、こっちは朝から晩まで、しゃべり通し。声はガラガラだし、のど飴のなめすぎで、気持ち悪くなるし。
昼休みもろくになく、意識が朦朧として昼食前のほんの15分前に脱いだ白衣が、どこにあるか見つからない。看護婦さんは、耳のレントゲンと言ったのに、何故か器械を回転させて鼻骨のレントゲンのセッティングをしてるし。午後の外来に行って、また60人待ちでならんでるカルテを見て、思わず職員とみんなで、笑っちゃいましたね。
ま、いつかは終わる。
山のようなカルテを前にして、私がいつも、心に唱える座右の銘があります。
「かつて、終わらなかった外来はない」
これは、私が若い頃、医局の先輩M先生と、果てしなく続く泥沼のような下咽頭癌かなんかの手術をしていた時、かのM先生が
「小倉先生、がんばろう。歴史上終わらなかった手術はないんだよ。」
と、いってくれたことに源があります。
さあ、来週もがんばるぞー。終わらなかった花粉症もないんじゃー。


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