ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2020.04.09

新型コロナウイルス対策の現状での対応

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連日新型コロナウイルス一色のマスコミ報道ですが、

役立つ情報も、役立たない情報も、また有害な情報もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、気になったのは、

新型コロナウイルス感染症と、普通の風邪の見分け方、

などというテーマが時々出てくることです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこと、わかるわけないじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だって、新型コロナウイルスは、風邪のウイルスなので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風邪の原因となるウイルスは、

ライノウイルス、エコーウイルス、RSウイルス、

コクサッキーウイルス、ヒトメタニューモウイルス等々他にもいっぱいあり、

コロナウイルスもその代表的なウイルスです。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教科書的にはいわゆる風邪の原因で

ライノウイルスについで多いのが

コロナウイルスといわれていますが、

それらの従来のウイルスにも

数多くの血清亜型があることが知られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、今回のコロナは「新型」なので

過去の免疫のメモリーが役立たないので、

かかりやすく、重症化しやすい、

ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我々の体には病原体から体を守る「免疫」という

警察とか自衛隊のようなシステムが、

幾重にも張り巡らされています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とくに風邪の人の唾や痰を何年にもわたって常に浴び続けている

ワタシの様な耳鼻科医の体には、

毎日何種類もの風邪のウイルスが侵入して、

免疫システムがそれらを排除してくれているはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

免疫系はいままで捕まえたことのある前科者とか、

時々領海に侵入するアヤシイ不審船であれば、

すぐ指名手配して逮捕するとか、

護衛艦が出動して退去要請するのですが、

このCOVID19は「新型」なので、

どうしても侵入した敵の捕捉がおくれ、

免疫系の働きが後手に回ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それで、どんどん侵入を許してしまって

体内で多量に増殖を許すと

あっという間に占領されてしまって

多臓器不全に陥ったり、

また、パニックになった免疫系が

ピストルやミサイルを打ちまくり、

民間人にあたったり、味方の船や飛行機を誤射しちゃう、

いわゆるサイトカインストームを起こしたりすると

致命的になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからかかりやすく、治りにくい「風邪」、なので

初期症状で見分けることは不可能でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このウイルスの広がり方を見ると、

大部分の人は無症状で済んでるはずです。

そして、発症しても軽症の人が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インフルエンザの患者さんを診ていると、

例えば子供がかかると、気をつけていても

2日程度の間隔で兄弟やお母さん、

そしてお父さんにうつり、

皆、かなりの高熱になる場合が多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その点このウイルスは発症した家族や一緒にいた人を検査して

陽性者が出る場合が多いですが、

それら濃厚に接触した感染者でも、

無症状や、軽い症状の人が意外と多い

感染しても症状が出ないか、出ても軽症な人が多いので、

それと知らずに出歩いてしまい、

ウイルスは容易にまた、別の人へと渡り歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても優れたデザインのウイルスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院にも軽い風邪症状であまり所見がなく、

むろん接触歴、渡航歴はないけれど

ひょっとしたら新型コロナウイルスも否定できない、

という患者さんが受診します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう方には、体温をこまめに測り、

少なくとも風邪症状が落ち着くまでは、

人に接近しないこと、を指示します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この程度の症状であれば

たとえ新型コロナウイルスであっても

ほっときゃ、治っちまいますが

人にうつすと、拡散し、中には重症化する人もいますので、

そこだけが問題です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現状では新型コロナウイルスを封じ込めることはもはや不可能。

そこで、目標は重症者をなるべく出さずに

国民の過半数が集団免疫をつける、ということでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では、どのような場合に重症化するのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは2つの要因があり、

1つは、その人がウイルス感染に弱い状態、危険因子を持っている場合、

もう1つは、多量のウイルスに接触した場合です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新規のウイルスといっても

我々の免疫システムは黙ってみているわけではありません。

あらかじめ専用のIgG抗体は持っていなくても、

NK細胞と呼ばれるリンパ球がウイルスに感染した細胞を発見し、攻撃。

その後、そのウイルス情報は次々と伝達され、

キラーTと呼ばれる細胞を直接攻撃するリンパ球が活性化したり、

情報をうけとったBリンパ球が大至急で産生したIgM抗体という

ミサイルがウイルス感染細胞を攻撃します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、侵入したウイルスの数が多いと、

この処理が間に合わずにウイルスが次々に細胞に感染します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 また、その人がもともと呼吸器や循環器などの臓器に持病を持っていると、

ウイルス感染細胞排除が間に合わないうちに

臓器自体が早期に機能不全に陥ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なので、健康な一般のヒトが気を付けなくてはならないことは、

ウイルスに罹らないことよりも、社会のためにウイルスを拡散しないこと、

そして、自分のためには濃厚なウイルスの接触を受けないこと、です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、いっぽうウイルス感染が重症化する因子はなんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中国の病院で新型コロナウイルス入院患者1590例を対象にした調査で

もともともっていると重症化する病気の順位は

1位 悪性腫瘍

2位 COPD(慢性閉塞性肺疾患)

3位 糖尿病

4位 高血圧症

の順だったそうです。

また、78人の病状経過を分析した武漢の病院の論文では、

入院後の悪化症例についてその背景因子を調べたところ

1位 喫煙歴

2位 年齢

3位 入院時高体温

の順だったそうです。

つまり、タバコを吸っていると、それほど高齢でなく、熱が高くなくても

重症化しやすい、ということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 喫煙が一番の重症化の因子で、

COPDはタバコを吸わない人はほぼならない病気であることをふまえ、

WHO、東京都医師会、日本禁煙学会は

相次いで新型コロナウイルスの感染拡大、重症化防止のために

直ちに禁煙をするように声明を出しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 タバコを吸っている方は、これを機会にぜひ禁煙をお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 むろん、これらの危険因子は、新型コロナウイルスに限らず、

気道を主として冒す他の一般の風邪のウイルスに対しても危険因子です。

本邦でも年間何万人もの方が、

新型コロナウイルスではない従来型の肺炎で

亡くなっているということも忘れてはいけません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まとめますと、ワタシの考える現状での目標は、

巷に流通するウイルス量を少なくし、

危険因子を持つ人になるべくうつさないように、

感染者を少なく押さえながら、

時間をかけて、ゆっくり薄く多くの人が順番に罹る(!)、

できれば不顕性感染で、あるいはせめて普通の風邪くらいで。

と思うのですが、

日本の感染対策のトップの人たちは

どのように考えているのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1件のコメント

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  1. とても参考になるブログありがとうございます。
    家族・実家の両親と共有しました!
    特に、実家の母親はただただ怖かっていたので、正しい情報が分かって良かったと
    言っておりました。

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