ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.04.17

新型インフルエンザワクチン

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 鳥インフルエンザ[emoji:v-532]の、ヒト→ヒト間感染型(いわゆる新型インフルエンザ)への変異の恐れから、日本で世界に先駆け
ワクチン接種が実験的に始まるという。医師や検疫官ら6000人が対象というが、
どうなんでしょうね。
 われわれの体は、免疫という仕組みを持っていて、病原体に対しそれを認識して攻撃するシステムがある。そのためには、一回その病原体を経験しないと、体が免疫の抗体の設計図を作れないので、病原体から抽出した物質を体に覚えさせる、ってのが予防接種だ。
 気になること、その1。
抗原と、抗体の反応ってのは一対一だから、たとえば、普段われわれがやってるインフルエンザの予防接種も、何年かに一回、型が違ってあまり効かなかった、ということがあります。
今、打とうとしてるワクチンは、鳥インフルエンザのウイルスから抽出してるので、
トリ→ヒトのウイルスであって、ヒト→ヒトのウイルスではないわけだ。
だから、このワクチンがどこまで効くのかってのは、不明なわけです。
 気になることその2。
ワクチンによってできた抗体は、更なる抗原の刺激によって、生産が継続される。
たとえば、インフルエンザの予防接種、毎年するでしょ。
子供が2回打つのも、ウイルスの経験がない子に対し、抗体産生を強化するためです。
今、巷にないウイルスの免疫って、どれくらいの間もつんだろう。
 気になることその3。
実際に、ウイルスが変異したとしたら、誰も彼もが、ワクチンを求めるだろう。
何せ、死んじゃうかもしれないんだから。でも、短期間で、すべての国民に摂取することは、どう考えても不可能だ。
どうせ、無責任なマスコミが、あおるでしょう。
そのとき、パニックにならずに、きちんと順番が守れるだろうか。
また、その順番は、誰が、どう決めるのか。
 気になることその4。
患者数が、多ければ、また、社会的影響が大きければ、治療に関しては、AIDSやなんかと違い、
広く一般の開業医が、最初の受け入れ先とならねばならない。
そのとき、市中の医者は、きちんとした対応ができるのか。
日々診療をしていて、内科、小児科の開業医の感染症に対する、知識の乏しさは、時にあぜんとすることがある。
「ヘルパンギーナですね。夏風邪ですよ。」といって抗生物質を出す医者。
中耳炎で抗生物質を飲んでいるのに、「溶連菌だから耳鼻科の薬やめといて。」といって、抗生物質を弱いものに代えちゃう医者。
「インフルエンザだから、家族のヒトみんな予防として{タミフル}飲んでください。」などという医者。
「熱が、38・5度以上あったら抗生物質飲んで、下がったらやめてもいいですよ。」などという医者。
BLNARとかPRSPって何のことかわからない医者。
子供、時には乳児にまで鼻水が出ればステロイドの点鼻をどんどん出しちゃう医者。

 専門家からみると、うそみたいだけど、みんな実話です[emoji:v-292]。
こんな医者で、高度な診断力が必要になる新型インフルエンザの治療ができるだろうか。
 なんか、いろいろすごく不安だなー。
まあ、私は全力を挙げて医者としてできる限りのことをするつもりですが。

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