ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2021.05.17

慢性中耳炎に対する鼓膜穿孔閉鎖術

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昨年6月に受診した80歳の女性の方。

初診時のカルテがコレです。

2年前からずっと止まらないわけではないようだが、

ほぼ出ていたらしい。

大変ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みみだれを吸引してみると鼓膜はこんな感じ。

鼓膜はブヨブヨです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菌検査の結果は緑膿菌。

耐性菌ですが、まだ効く薬もあったので

それに合わせた抗生剤を選択。

2週間くらいで耳だれは止まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、3か月後にまた耳漏。

前回のクスリ出したが止まらず、

培養の結果をみると

今度はMRSAというさらに薬の効かない耐性菌で、

それにあわせ抗生剤を変更し、

ようやく耳だれは止まりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼓膜は乾きましたが、大きな穴が開いています。

MRSAは外耳道からこの穴を通じて

中耳に感染を起こしたのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのため、聴力が悪く、補聴器を入れても聞き取りに困ります。

右の耳はもともと聴こえないので、

左の耳が悪いと不便です。

聴力は右が97.5dB、左側は81.3dBでした。

これはかなりの難聴です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、鼓膜をふさいで聴力が改善するかのテストを行いました。

パッチテストといって、鼓膜の穴を仮に生食を浸した綿でふさいで

聴力の改善の度合いをみます。

すると左側の聴力は81.3dBから71.3dBまで上昇しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで、先月、以前も紹介した「リティンパ」を用いた

鼓膜穿孔閉鎖術を外来で行いました。

これで5例目ですが、このケースは難しそうです。

だが反対の耳が聞こえず、

こちらの耳が頼りなので

患者さんと相談して手術することにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1カ月後、穿孔は見事に閉鎖。(^O^)/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして聴力は66.3dBにまで上昇しました。

補聴器でもよく聴こえますし、

大きな声なら補聴器無しでも会話ができるようになり、

大変喜ばれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 穴がふさがったので、

今後菌が入って耳だれが出ることもないでしょう。

いやー、メデタシ、メデタシ\(^o^)/

手術がうまくいって、患者さんが良くなる、

ってのは内科医ではなかなか味わえない。

こういう経験すると外科医をやっててよかったなーと思います。

 

 

 

 

 

 

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