ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2012.03.23

悪魔が来りて笛を吸う

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 インフルエンザはなかなか止まりませんねー。
 以前、4月には終わってる、なんてことを書いたけど
ちょっと怪しくなってきました。
 まあ、春休みになれば終息に向かうと思いますが。
 この流行、やはり学校、幼稚園での感染が主流ですから
①インフルエンザが完全に治らない状態で登校、登園している。
②インフルエンザなのだが、インフルエンザではないとの診断で登校、登園している。
の2点が原因でしょうね。
 ①については、この間のブログ「インフルエンザの出席停止」に書いたとおり、
解熱後2日間(未就学児は3日間)かつ発熱後5日間出席停止の新基準を
キチンと指導してない医療機関もあるとみられ
感染が拡大している面もあるのでは。
 ②については、当院でもインフルエンザではありませんね、
などと言ってインフルエンザだった例がひょっとしたらあると思うし、
診断の限界がある面は否めない。
 特にB型は高熱にならない例もあり、熱が上がったり下がったりすることもある。
 今日のおばあちゃんも熱が37度なんだが
何となくおかしい、体が重い、しんどい、
ということで調べてみるとインフルエンザB型がくっきり。
 周囲にもインフルの人いないし、結構しゃきしゃきして元気そうだったんで
違うとは思うけど、と思いつつ調べて出たのでビックリ。
 インフルエンザは当人だけが治ればいいという問題ではないので厄介だ。
 ところで、土日祝日に熱発し、救急外来でインフルの診断を受ける人も多い。
 早期に診断がつくのは治療にも有利なので、
それは大変いいことなのだが、
休日診療所ではイナビルが処方されることが多いようだ。
 急患救急なので薬1日分しか処方されず
また残りのタミフル、リレンザを月曜日に別の病院に取り行くのは
非常に面倒なので一回の吸入で済むイナビルは
いかにも休日診療所向けではある。
(個人的にはタミフルもリレンザも5日分出しちゃえばいいのにと思う。)
 しかし、そんな中に、特に小中学生の男の子に
なかなか熱が下がらず来院される方が散見される。
 データ上は今のところタミフル、リレンザ、イナビルの効果には
有意な差は無いということになっている。
 妻と話したんだが、どうもイナビルがちゃんと吸えてない子が
けっこういるのではないか、と思う。
 イナビルはスプレーではなくパウダーを自力で吸引するので、
ある程度のテクニックが必要になってくる。
 大人ならあまり問題は無いが子供や、場合によるとお年寄りなんかは、
充分気管に取り込まれない可能性もあるのではないだろうか。
 同じ吸入薬でもリレンザは1日2回5日間なので
だんだん上手に吸えるようになることがあるが、
一回吸入のイナビルは最初で失敗したら終わり、という弱点がある。
 んで、当院はイナビルを処方しようかという子には
処方箋を書く前に院内で製薬会社から供与されたこの笛を使っている。
001_20120323083317.jpg
 これを、吸って(吹くのではなく)キチンと音が出れば、
イナビルを十分に吸える技術がある、というものだ。
002_20120323083317.jpg
 小学生くらいだと、吸えるように見えて実際になかなか音の出ない子がいて
そういう子はリレンザか、場合によっては10代でもタミフルを処方する。
 一般に女の子の方が器用でよく鳴らすが、
男の子はけっこう大きな子でもうまく鳴らない場合がある。
 この笛、メーカーに話せばすぐ持ってきてくれるので、
各医療機関や薬局には常備するべきだと思います。
この笛の袋の最後に書いてある
「[注意]イナビルを服用しても、この笛のような音はなりません。」
という1文はなかなか笑える。
 テストが終わった笛はその子にあげちゃうんですが、
家族に吸わせないでね、と言っておくことを忘れないように。
 インフル、感染っちゃいますからねー。
 
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