ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2016.04.23

ワタシはスギはないけどヒノキが強いんです

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スギ花粉のシーズンが終わり耳鼻咽喉科の外来は平穏(?)を取り戻してきた。

 

 

 

 

 

 

最近は、花粉症ほったらかしのための副鼻腔炎多し。

 

 

 

 

 

 

 

また、ここにきて花粉症が発症した方。

 

 

 

 

 

 

 

曰く「ワタシはスギはないけどヒノキの花粉症なんです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

なるほど、以前書いたようにスギはこの辺では2月中旬から4月上旬まで、ヒノキはそれと入れ替わるように3月下旬から増え4月末まで。

 

 

 

 

 

 

 

 

たしかにヒノキの花粉が原因のように見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、果たして本当にそうでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

おそらく数千人のアレルギー検査をしましたが、スギがなくヒノキ単独の人はいなかったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 スギ花粉の抗体を持った方の4割程度にヒノキ花粉の抗体を持った方がいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スギ、ヒノキには一定の交差抗原性がありますが、一般にスギの方が「抗原性」が強く先に発症し、抗体価も高い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 理論上スギへの曝露がなく、ヒノキのみに長年さらされていればヒノキ単独のアレルギーが起こる可能性は十分あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、日本全国探してもそんな場所はまずないのではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 それでは、このヒノキのシーズンだけ症状を起こす人たちはどういうことなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 スギ花粉症を以前に発症した人は血液中に抗体を持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、鼻粘膜(あるいは、眼結膜、咽頭粘膜)にスギ花粉が付着した時に、

 その抗体がスギ花粉と結合しアレルギー反応が始まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、最初は花粉がまとまって入ってこないと、

 抗体が付着する前に花粉が鼻水やらなんやらで洗い流され「処分」されちゃうのでアレルギー反応は起きません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 いったん、抗体が花粉を認識すると、化学伝達物質が情報を送り、

 次々に抗体や、好酸球、肥満細胞などのアレルギー反応にかかわる細胞が鼻粘膜に誘導されてきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうなると今度はわずかな花粉でもどんどんアレルギー反応が起こるという仕組みです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花粉症の抗体数の少ない人、花粉へのまとまった曝露がない人は、

 スギ花粉のシーズンが始まってもそれほど症状が出ない場合があるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ただ、徐々に効果が蓄積し、ある点に達すると堤防が決壊するように激しい症状がおきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時すでにスギ花粉の飛散量が減っていると、今はヒノキだから自分はヒノキ花粉症だ、と誤解してしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 こういう方の血液検査をするとアレルギーのスコアが6点満点で

 スギ2ヒノキ1とか、場合によってはスギ2ヒノキ0なんてこともあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いったんアレルギー反応が起き始める抗原本体が来なくても、

 温度変化や、機械的刺激でくしゃみ鼻汁発作が出ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この場合も症状が激烈になってからでは治療が困難なので、早めの受診をお勧めします。

 

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