ロックな高校生(第7話)
「やっぱ、ここで練習するしかねーよ。」
「あと1ヶ月ってことで、何とか練習させてもらおうよ。」
「そうだな、みんなで、頭下げて、あと1月だけ、その後はやりません、ってことで。」
「なんか、持ってった方がよくない?」
「そうだな、こーゆー時は、菓子折りだ。」
「じゃあ、小泉哲ちゃんちで、最中、買ってこ。」
「おー、そりゃ名案。」
哲ちゃんは我々の同級生で、実家は老舗の和菓子屋さんだ。
というわけで、我々は小遣いを出し合って、最中を買い
それを持って、近所の家を一軒一軒回った。
「あと、1ヶ月だけです。」
「それ以後は、絶対音を出しません。」
「夜も8時以降は練習しません。」
メンバー全員で、頭を下げて回った。
その甲斐あって、何とか、本番までの練習許可を取り付けたのだった。
「よかったなー。」
練習にも力が入る。
曲も決まった。
1曲目にディープ・パープルの「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」
名盤「ライブ・イン・ジャパン」のバージョンだ。ギターとボーカルの掛け合いがウリ。
2曲目はやはりパープルの「ラブ・チャイルド」
こちらはギターがトミー・ボーリンに変わったあとのアルバム「カム・テイスト・ザ・バンド」
からのナンバーだ。
リフがツェッペリンの「ハートブレイカー」に似ている。
そして3曲目は、オリジナル。
ギターのEと、私で作った「オールド・キャッスル・イン・マイ・ハート」。
・・・うーむ、今聞いたら赤面するようなタイトルじゃ。
パープルの「チャイルド・イン・タイム」で始まって
ツェッペリンの「天国への階段」で終わるようなパクリまくり、の曲だ。
本当は「チャイルド~」なり「天国への~」なりで、盛り上げて終わりたいのだが
それらは難しすぎて手に負えないので、それっぽい曲をでっち上げた、というのが真相だ。
そして、ついにポスターとチケットができた。
よーし、女子高のNちゃんを誘うんじゃ。
いけ、O!
さて、Oの作戦は果たして功を奏するのか。次回へ。


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いやー、さすがに良く記憶されてますねー!
そっか、オリジナルだから記憶に無かった(失礼!)のですね?
それとあの日のステージで「ストレンジ~」の間奏でメンバーでなにか言葉を回しておられましたが、あれは何かのトラブルなのか、メンバーの緊張を解くための演出なのか?覚えてらっしゃれば教えていただけますか?
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「ストレンジ~」の間奏部分ですか。
いや、よっく覚えてますねー。
まいりました。
この、あとのブログでその真実が明らかになります。
あと、ドラムの「I」は、がいたんと同じ姓ですが
二中出身の別人です。