ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2008.11.07

ロックな高校生リターンズ(第4話)

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「・・・このように『寺田の鉄則』を用いれば、かんたんです。では、諸君、がんばって勉強してください。」
「以上で、旺文社ラジオ講座、寺田ブンコー先生の数学Ⅰを終わります。」
うーん、また解き方間違っちゃった。数Ⅰも受験問題になると結構ムズカシーなー。
 ・・・と、言ってるうちに
「セーイ、ヤァーン」
と、セイ・ヤングが始まってしまう。
「ジャン、ジャーン、チャカポコチャカポコ・・・よーあけがー来る前にー・・・」
あー、バンドもやりてー。
 と、いきなりギターを持って弾いてみたりする。
もちろん深夜なんでアンプにはつながないから、ペンペンペンてな感じなんだけど・・・。
 今はまだ6月だが、足高祭が行われるのは11月、
受験生にとってはもう、追い込みをかけ始めるころだ。
特に、我々の世代はいわゆる旧制度、国立1期校、2期校の最後の年に当たり
翌年から共通1次試験(現在のセンター試験の前身)が始まることが決まっていた。
 浪人すると制度が変わって大変なので、
そのために、何とか現役で大学にもぐりこもうと、受験戦争は過熱していた。
 同じ5組のベースのOに、まず話を持ちかける。
なんせ、こいつとは席が前後だ。
「いや、だからEの奴は、もうギター閉まっちゃって、入試終わるまで弾かないって言ってるぜ。」
「でもさ、高校生活で一回きりの学園祭じゃん。バンドやろうよ。お前はどうなんだよ。」
「いや、俺は、どうしてもだめってことはないけど・・・。」
「よし、じゃあ、2人でEを説得しよう。」
「あ、ああ・・・。」
 というわけで、まず押しに弱いOを丸め込み、二人で何とかEも説得し、ドラムの I にもOKがとれて、
学園祭出るってことで、話がまとまった。
意外と、かんたんだった。
 「まずは、企画書と顧問だな。職員会議通すには、顧問を立てないと。」
「顧問たって、先生でロックわかる奴なんかいねーぜ。」
「あ、あいつどう、英語のインドニージャン。」
「あーインドニーチャンかー、なるほど・・・。」
 インドニージャン(またはインドニーチャン、インドネシアともいう)ことF先生は
今年、大学を卒業して赴任した英語の教師だ。
挨拶のとき、出身大学が東京外語大ということで、
生徒はいっせいに色めき立った。
何せ進学校の生徒は、大学のブランドに弱い。
ところが、外語大だが学科は英語科ではなく何とインドネシア語科ということがわかって、一気にテンションが下がった。
(自分たちは、決してそんなこと言える身分じゃないくせに・・・)
それで、ニックネームでインドネシアまたはインドニージャン(インドネシア語、インドネシア人の意)
と呼ばれるようになったのだ。
 新任の若い先生なので、
「僕と一緒に勉強しようっ。」
みたいな青春ドラマ的なノリ(錯覚?)があって、
しきりに、「僕は若いから君たちの気持ちがよくわかるんだ、」という雰囲気を作ろうとしていた。
 ビートルズの歌詞を、教材に取り上げたり、
FENやポピュラーミュージックのことを話題にしたり、それなりに努力していたが
俺たち高校生に言わせると、
「20歳過ぎてて、しかもネクタイなんかしてる奴は、みんな向こう側の人間だ。だまされちゃいけねえ。」
みたいな意識があり、あまり信用してなかった。
 あるとき授業で
「これは”not~but”の構文だねっ。
ほら、君たち、スタイリスティックスの歌にあるだろ、
”I can’t give you enything but my love”.この”but”の使い方だよ。
スタイリスティックス、知らないかなあ、あの女性ボーカルの。」
・・・いや先生、スタイリスティックスくらいよーく知ってますけど
あのグループ、女性じゃなくて、男性がファルセット(裏声)で歌ってるんですけど。
と、いおうと思ったがやめといた。
 やっぱ、氏家高校じゃあ、そんなもんか、底が見えたな。と、思ったものだ。
(後に彼の出身高校は氏家高校だということが判明していた・・・。
いや、別に足高だって、相当イナカの高校なんすけどね)
 「・・・インドネシアかー、何となくビミョーだな、あいつ。」
 でも、ほかにこれといった候補もない、
「よし、じゃあ、企画書作ってインドニージャンのとこに行ってみっか。」
 さて、ともかく、学園祭ライブに向けて前進を開始した我々であった。

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