フランスからのご質問、続編
先生 お忙しいところ何度も連絡してしまいすみません。
先生に前回娘の診断が耳管狭窄症であったとお伝した
ココのママです。
(フランス語でcatarrhe tubaire を辞書で調べたら
耳管カタルとなっていました。これは耳管狭窄症
ということでよいのでしょうか?こちらの先生の説明では、ORLテストは完璧 全く問題なし。ただ右耳に
少々の耳管カタルがあるので耳抜きが上手にできていない。そのさい私の鼻をつまんでごくんと唾液を飲ませ、「こんな感じ^^」と言われ納得しました。ひんぱんに鼻をかみ清潔にすることで改善するでしょう)とのことでした。
先生にお伝えしたように、点鼻スプレーを2ヶ月
しようするとのことでしたが、ここで相談があります。
娘は前回耳の痛みを訴えてから、ここ3週間ほど
鼻水も全くでていなく、本人曰く耳痛も耳鳴りもなくいたって元気です。幼稚園に通いだして風邪のたびにこちらのお医者様には抗生物質と点媚薬が処方されていました。
先生の過去の記事を読ませていただくと、今まで抗生物質を呑む必要がなかったんではないのか・・・と少々後悔してしまいます。
そのせいか今回の点媚薬にも手がでません。
今いたって元気でもともと鼻炎もちでもない娘に
点媚薬は必要ですか?耳管狭窄症は自然治癒ということはないですか?
お忙しいところたびたびの連絡すみません。
何かアドバイスいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
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遥かおフランスのお子様の耳と我が家のパソコンを瞬時につなぐインターネット。
かのマルコ・ポーロがこの状況を見たら何とおっしゃるか。
そんなことは、おいといて。
①点鼻薬は2カ月必要か
②抗生剤は必要であったか
の2点ですね。
それから、その前に
③鼻をかむことについて
のご質問もありました。
まず、「点鼻薬」ですが、どのような点鼻薬を使ってるのかが
ちょっと不明です。
ところで質問者の「点鼻薬」は
誤変換(?)により何やらアヤシイ「テンビヤク」になっており
ちょっとドキドキしちゃいますが、
通常の点鼻薬としてお答えします。
点鼻薬については過去にもこのブログで何回かとりあげています。
「いまどきの点鼻薬」
「花粉症の市販薬(点鼻薬編)」
「点鼻薬にご用心」
これは、花粉症患者さんのみならず、
薬剤師さん必読です。
(そんなことよく知ってる、という薬剤師さんには失礼しました、
でもお医者さんでも意外と知らない人は多いぞ)
この場合、点鼻薬は鼻腔というより、その奥の上咽頭にある
耳管開口部付近の炎症をとってやろうちゅうのが目的でしょうね。
多分、抗アレルギー剤の点鼻薬かステロイドの点鼻薬でしょう。
また、アデノイド増殖症に対して点鼻ステロイドが有効、
とする報告もあります。
血管収縮剤で無ければ続けてみていいのでは、と思います。
抗アレルギー剤にしろステロイド剤にしろ
点鼻薬は「続けること」が重要なので。
ただし、風邪をひいて膿性の鼻汁がある時には、
ステロイドはかえって悪化させることがありますのでやめときましょう。
②抗生剤は必要であったか
については、さらに分かりませんね。
急性中耳炎で化膿が強い場合には抗生剤を様々なレベルで使いますが、
その決め手は「鼓膜所見」が多くの比重を占めていて
痛みや熱が無くても使用する場合もありますし、
逆に発熱や耳痛があっても使わない事もあります。
各国にガイドラインがありますが、
ちなみにオランダのガイドラインは世界一きびしく、
かなりの中耳炎でも抗生物質を使わないようになっているそうです。
③鼻をかむことについて
鼻をかむことは、鼻腔をよい状態に保つために重要で
正しい擤鼻(こうび、と読みます。ハナをかむことです。)は
中耳炎や副鼻腔炎を予防します。
ただし、こいハナを強くかみすぎると
耳管から中耳へ鼻腔の細菌を送り込んで
急性中耳炎の直接の原因になります。
繰り返しかむ、そっとかむ、ハナがたまったらかみたくなる、
という習慣を早く身につけることが重要です。
ちなみに最初にあった「カタル」というのは
粘膜が炎症を起こして水分が分泌される状態で
「耳管カタル」「中耳カタル」の他、
アレルギー性結膜炎の一種である「春季カタル」、
水様性下痢の「大腸カタル」などの言葉がありますが
古い医学用語で今は一般的には使われません。
中東の産油国で「ドーハの悲劇」で有名な
カタールとはもちろん関係ありません。
(ラモスーーーー。)
日本も暖かくなってきて、
子供さんの中耳炎もだいぶ減りました。
フランスは日本より寒いんでしょうか。
これからはシーズン的に中耳炎が良くなるチャンスですね。
新婚旅行の時にパリに1泊しただけなので、
またそのうち行ってみたいです。
ル・マン24時間レース観てみたいなあ。
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先生お忙しい中、早速のお返事ありがとうございました。
点鼻薬があやしい変換になっていました。すみません。
血管収縮剤なんではないのかと心配になりまだ娘に与えていませんでした。(こちらの先生に失礼ですね。。)
点鼻スプレーの成分はpolysorbate 20(非イオン性界面活性剤) cellulose microcristalline 、 carmellose sodium 、chlor benzalkonium , alcool phenylethlique, glucose monohydrate , と書かれています。自分なりに医学用語辞書で調べてみたところ、
界面活性剤以外全て同じ読みでカタカナで書かれていました。。。
父がインフルエンザ特効薬で知られている製薬会社に
勤務していましたので、薬のことは少しばかり
分かるのですが、かわいい初孫がこんなことになってしまい恐ろしい雷が落ちそうで怖くて聞けません。本人も
子供の時の耳の病気が原因で少々の難聴があるので。
今回先生に色々と教えていただき本当に勉強になりました。日本では青鼻が出たら注意という意味がやっとわかりました。フランス人の主人は「鼻水はこっちでは黄色い」と言うほど普通のことらしく、油断していました。
数々の貴重なアドバイス 本当にありがとうございました。