フジコ・ヘミングのピアノ
先月の事になるが、妻の強い希望であるコンサートに行ってきた。
最近はお馴染みになったのサントリーホールだが今日はいつになく長い列。
イングリット・フジコ・ヘミングさんのピアノ・リサイタルでした。
そのドラマチックな経歴からメディアにも大きく取り上げられ、
「フジコ・ヘミング現象」とまで言われたあの方です。
根がミーハーな妻はこういうのには食い付きが早い。
父がスウェーデン人、母が日本人の彼女は戦争や貧困のために
国籍を失うなど苦難の人生を送る。
さらに、中耳炎(!)により両耳の聴力を一時失うなどの
音楽家としても致命的と言えるハンディキャップを背負うが、
NHKのドキュメンタリーをきっかけに大ブレイク、
魂のピアニストとして絶大な人気を誇るオバサン(オバアチャン)である。
初めて聴きましたが、コレハ、スゴイ。
非常にエモーシャナルな演奏で
クラシックというよりロック、ブルースを感じさせる演奏だ。
黒人のジジイがいきなりギターもったら
スンごいブルースひきだしたようなイメージだ。
もちろん、曲はばりばりクラシックなのだが、
なんか、こう、ぐいぐい引き込まれる感じがある。
かなり、感動しました。
ところで、この方、いろいろ調べるといわゆる「硬派」のクラッシックファンの間では
すこぶる評価が低い。
ミスタッチが多いとか、早い演奏ができないとか、
譜面に忠実でないとか・・・・・。
なるほど。
それらはすべて正しいのだろうし、
細かい左手の動きよりメロディを優先するような
ピアノスタイルは今のクラシック界では異端なのかもしれない。
でも、音楽は楽しんでナンボじゃ。
オレなんかはイングウェイ・マルムスティーンより、
ジミー・ペイジの方が断然スバラシイと思うし、
アル・ディメオラやラリー・カールトンよりは
ポール・コゾフやアンディ・ギルのギターの方が
100倍好きだ。
まあ、ろくにクラシックを聞いたこと無いヒトが大騒ぎするのも
コアなクラシックファンにとっては気にくわないんだろうなあ。
むかし、高校生の頃ベイ・シティ・ローラーズが大ヒットした時
あんなもんはロックじゃねえ、
とコアなロック・ファンだったワタシもずいぶん言っていた。
今回は(コアなクラシック・ファンではナイ)ワタシとしては大いに感動し、
また、ライブで聴いてみたいフジコさんなのであった。
しかし、このヒト、音楽スタイルだけでなく、
体型とファッションも独特だ。
ぱっと見たとき「ゲスラ」かと思った・・・・・。
ゲスラの好物はカカオ豆ですが、フジコさんはベジタリアンだそうだ。
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ちょっとした続きがあります。
ちょっとした続きです。
我々の隣の席にいたのは若い女性とそのお母さん。
あまりクラシック通でなさそうないかにもミーハーなお姉ちゃんが、
多分クラシックのコンサートは初めて位のお母さんを引っ張ってきたといった感じ。
開演前、お母さんにいろいろ説明している。
このね、「ラ・カンパネラ」が代表曲なの、すっごくいいのよ。
なんたって、スゴイのは、このフジコさんは耳が聞こえないの。
信じられる?
ええと、なんだっけ、ほら、ゼンモウ、ゼンモウなのよ。
いや、「全盲」は目が見えないことなので、
それいうなら「全聾(ろう)」でしょうが。
そもそも今は聴力は40%回復して、
聾ではないはずだし・・・・・。
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