ダブルA
本日受診の12歳の男の子。
昨夜からネツ出て、朝38.2℃
昨年12月に、すでにインフルエンザA型罹患済み。
ここのところ、インフルはかなり下火になり、
当院でも毎日検査陽性者が出るものの、
ずっと1ケタにとどまっています。
しかも今のところすべて「A型」。
扁桃腺などは腫れていないし、風邪のようですけど
高熱なのでインフルエンザの疑いがありますね。
A型はもうやっちゃったので可能性は高くないけど
まだ、流行はしていないけどB型もあるし、
A型も厳密にいうと2種類あるから、調べてみましょう。
結果「A型陽性」。( ゚Д゚)
前回12月はその後、弟と両親もかかり、
家族全員にインフルうつしたとのことなので、
前回のインフルエンザの診断は間違いなし。
ということは「もう一つのA型」ですね。
以前ブログで書きましたが、
インフルエンザA型はH1N1のパンデミック09型と
H3N2の香港型があり、
検査キットではその鑑別はできません。
しかも、型が違えば、免疫は有効ではなく、
もうひとつのA型には罹患してしまいます。
さて、厚労省のこの統計を見ると、あることがわかってきます。
週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数、2014/15~2018/19シーズン
すなわち2014/15シーズンはほぼH3、翌2015/16年は逆にH1pdm
そして2016/17シーズンは再びH3ばかり。
ところが2017/18シーズンは最初H1pdmだったのが年明けからH3優位に転換。
そして今シーズンはH1pdmで始まったが、早くからH3が増えています。
すなわちH1とH3が年ごとに交互に流行していたのが、
昨年から同時流行にかわってきているということ。
特に今シーズンその傾向が強まっています。
しかも今シーズンはBはまだ全く出ていません。
なので、A型に罹患した方でも、直接感染ではないA型患者さんとの接触は注意すべき。
それにしても、この男の子、まったく、ついていないヤツだ。
しかも、彼を起点に
またまた家族全員が罹患する可能性もありということです。(>_<)


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