ロックな耳鼻科:小倉耳鼻咽喉科医院院長、小倉弘之が日々思うこと。

2009.02.25

インフルエンザの予防接種の疑問

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 相変わらずB型インフルエンザ多いなー、と思ってたら、今日またAも出たりして。
まあ、寒くなって少し花粉症のスパートが遅れたのは、
いいことだが、その分インフルエンザが逆戻り。
 さて、よく質問を受けるのでご説明しますが
「予防接種しててもかかるのか?」
という問題。
 答え「かかります。」
 なんだ、じゃあ意味ないじゃん、何でだー。
詐欺じゃねーか。
 その疑問にお答えしましょう。
 さて、予防接種というのはかの偉大なジェンナーさんが実用化したものだが、
病原体を体に認識させて、その「抗体」を作らせる、ってのが原理だ。
 たとえば「おたふく」「はしか」なんかにかかった人は、もう同じ病気にはかからない。
おたふくウイルス、はしかウイルスに対する「抗体」ってのができるので、
ウイルスが進入してくると、それって感じで抗体が動員され、処理しちゃうわけだ。
 だからインフルエンザウイルスを不活化したワクチンを注射することによって、
体がこのウイルスを認識し、抗体をつくり始めるわけだ。
子供は大人に比べてウイルス経験が少ないので、2回接種して、
ああ、抗体つくんなきゃ、という気にさせるわけだ。
 で、予防接種すると数週間で体はインフルエンザウイルスの「抗体」をつくる。
シーズンになり、本物のインフルエンザウイルスが体に入ってくると、
「お、来やがったな、オメエのことはすでに知ってるぜ。これでも食らえ。」
と攻撃して退治しちゃうわけです。
 ところが・・・
 一時にあまり大量のウイルスが入ってくると、抗体の処理能力が
ウイルスの増殖スピードに追いつかず、結果的にウイルスに押し切られてしまいます。
これが「感染」です。
 ただ、抗体をすでに持ってれば、最終的には準備してない人より回復は早いはずです。
 軽い、感染は防げるし、かかっても治りは早い、ので予防接種は効果があります。
 しかし・・・
 ウイルスと抗体はそれぞれ1対1対応、つまり型が違うと効果がありません。
たまに、厚労省の予測と実際に流行するウイルスの型が
微妙にずれちゃうこともないわけではありません。
 型といっても、予防接種は通常A型を2種類(ソ連型、香港型)とB型を1種類ブレンドしてあります。
メーカーが違っても、この方はいっしょです。
ただ、例えば同じソ連型の中にも細かい型がありこれがずれちゃうことがあるわけです。
 ちなみに今年話題になった「タミフル耐性ソ連A型」はちゃんとワクチン効く型だそうです。
 そして・・・
 寝不足や過労、かぜや不摂生などによってからだの抵抗力が落ちると
抗体の産生が弱まります。
そういう時も抗体の力が足んなくて「感染」しちゃうわけです。
(今年のオレのパターンだ・・・。)
 ちなみに新型インフルエンザが怖れられてるのは、
人類がまだ感染したことがないので、抗体をつくった経験がない、からです。
まあ、インフルエンザには違いないのでいずれ抗体はできるし、
映画「宇宙戦争」のエイリアンみたいに、いきなり全滅ってことはないのですが。
(宇宙戦争、観たことありますか?SF映画の古典でわたしの好きな映画のベスト10に入ります。
数年前、トム・クルーズかなんかでリメイクされましたね。)

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