アメリカン・ロック
うーっむ、ドゥ―ビーブラザースを聴きに行ってから
めっきりアメリカン・ロックにハマってしまった。
最近はそのような傾向は希薄になったが、ワレワレがロック小僧だったころ、
ブリティッシュ・ロックとアメリカン・ロックの間には大西洋なみに深い違いがあった。
ビートルズに端を発するブリティッシュ・ロックの流れは、
その後、クリームやフリーに代表されるブルースロックの流れ、
フェイセスやローリングストーンズなどのロックンロールバンド、
レッド・ツェッペリンやディープ・パープルをはじめとするハードロックのバンド、
そして、キングクリムゾンやイエスを含むプログレッシブロックの一派などが、
大きなうねりをもってロック界を席巻していた。
その中には様々な音楽性が含まれるが、共通するイメージは「暗い」ということだ。
一年を通じて雨の日の多いイングランド、霧に代表されるロンドンのイメージである。
一見明るい曲調のキンクスやバドフィンガーでもその裏には何か吹っ切れない暗さが垣間見える。
一方、アメリカン・ロックは「陽」である。
ジェファーソン・エアプレインやCSN&Yに始まり、
のちによりカントリーテイストを含んだイーグルスやドゥ―ビーブラザースによって
一時代を画していくウエストコーストロック、
オールマン・ブラザースやレーナード・スキナードなどの
サザンロックのルーツはやはりブルースやカントリー、
東海岸でエアロスミスやボストンが誕生するのはそのもっと後の話で
当時のアメリカン・ハード・ロックといえば
グランドファンク・レイルロードとステッペンウルフであった。
つまり、ブリティッシ・ロックとアメリカン・ロックは
「陰」と「陽」、「都会」と「田舎」、「洗練」と「粗野」
といった対比で語ることができた。
ロック小僧は聴くだけならどちらかを選択することを求められることはないが、
ことバンドをやるとなるとこの相異なるスタイルはさすがに両立しにくいので
やはり自分は○○派だ、という意思決定をすることになる。
で、ワタシは「ブリティッシュ・ロック派」であった。
高校時代一番好きだったバンドは「フリー」だったし、
高校のバンドでは、ディープ・パープルの曲を好んでとりあげた。
もちろんアメリカン・ロックも聴いていたけれど。
ところが、大学に入って、軽音楽部に入り、
いよいよ目一杯バンドやるぞ、とおもったら、
群馬大学医学部軽音楽部にはアメリカン・ロックのバンドしかなかったのである。
同級生ではメンバーも見つからず、仕方なく先輩のバンドに入れてもらい、
ギターを弾かせてもらったが、
その時に先輩リーダーの趣味で演奏していたのが、
イーグルス、フールズゴールド、そしてドゥ―ビーブラザースだったのであった。
(ちなみに当時軽音にもう一個あったロックバンドはザ・バンドやCCRを演奏していた。
その他はフォークソングとジャズであった。)
うーん、グンマは原野に空っ風吹きすさぶ日本のテキサス、
この地にはやはりカントリーロックしかないのかー、
と大いに落胆したものだ。
まあ、その後、2年生になって自分がリーダーとなるバンドを結成したのだが。
しかし、今回ドゥ―ビーブラザースのコンサートを見て、
大変懐かしくなり、
その時は、「やらされていた」バンドであるが
楽しそうなので、今度この手のバンドできないかなあーと思ったりするのであった。
2年前に見たロバート・フリップは相変わらずむっつりギターを弾いていたが
今回、トム・ジョンストンもパット・シモンズも実に楽しそうに演奏していた。
誰か、一緒にやりません?


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