さまよえるオランダ人
例によって5時目ざましだが、
さすが決勝戦の緊張からか、アラームなる5分前に目が覚めた。
前日に行われた3位決定戦はまことに面白い試合だった。
トーナメントのプレッシャーから解放されたチームは
のびのびとしたサッカーを行ない、
フォルランのボレーのようなスーパーゴールも飛び出した。
得点の取り合いになり、ゲームとしての面白さを十二分に堪能させてくれた。
一方、決勝戦はえてして「重い」試合になることがありがちである。
2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会 決勝
オランダ代表 0-1 スペイン代表 (サッカーシティスタジアム・ヨハネスブルグ)
(前半 0-0)
(後半 0-0)
(延長前半 0-0)
(延長後半 0-1)
今回も「破壊力のオランダ」と「パスワークのスペイン」という、
「攻撃的」なチームの顔合わせになったが、
逆に非常に「守備的」な展開になった。
スペインのパスが回らない。
ロッベンの突破は2重3重のプレスで潰される。
ともに相手のよさを消しあう試合運びだ。
そして、決定機におけるシュートを打つ者に対する心理的プレッシャーと
両ゴール・キーパーのファイン・セーブ。
試合は必然的に延長戦にもつれ込んだ。
ああ、このままPK戦はイヤだ、と思った延長後半、
イニエスタのシュートが、オランダのゴールネットに突き刺さる。
結局、オランダは3度目の決勝も勝ちきることはできなかった。
ある意味、クライフを擁した74年のチーム、
その後のニースケンスらを中心とした78年のチーム、
また、ワールドカップではふるわなかったが88年のヨーロッパ選手権で優勝した
フリット、ファンバステン、ライカールトのアヤックス⇒ACミラントリオを擁した90年のチームよりも
今回のオランダはより「現実的」なチームだったと言える。
パスワークやポゼッションだけでは勝てない時に必要となる「個の力」。
この、パスワークと個の力の組み合わせで、決勝まで勝ちあがってきた。
ただスペインはパスサッカーの華麗な攻撃だけのチームではなく、
しっかりとした守備力で、相手の攻撃を封じ込める力があった。
守備のブロックからカウンターというスタイルではないのに、
決勝トーナメントをすべて1-0で勝ちあがって来た事がその証拠だ。
ともかくどちらが勝ってもおかしくない拮抗した試合だったが、
PK戦でなく、決着ついて良かったですね。
なんとなく、PKを外すスナイデル、なんてのがイメージとして頭をよぎっちゃったりしたし。
そんなわけで、ユーロ08に続いてワールドカップを制覇したスペインは
「万年優勝候補」の汚名を返上したわけで、
一方、三度決勝で敗れたオランダはまたこの「呪縛」を解く旅に出るわけだ。
そして、このあとヨーロッパはオフだけど日本では
何よりまた「日常」のリーグ戦が始まるわけで、
パスサッカー、ポゼッションサッカーを目指すレッズが、
この大会から何か「ブレイクスルー」のヒントをつかんでくれてるといいなと思うわけで。


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