ここにも春が
何も春を感じるのは花粉症の処方箋ばかりではない。
昨日来院されたおばあちゃん。
「なんか、耳に入っちゃったみたいで。」
入れちゃった、ではなく、入っちゃった、ですか?
まさかと思い顕微鏡を覗くと、果たしてそのマサカであった。
黒いアシが何本か。
虫ですね。
何の虫であろうか。
さらによく顕微鏡をのぞきこむと・・・・・
「動いていますね(◎_◎;)」
その言葉にそばで診療介助をしていた若いスタッフが思わず2歩後退。
うーん、どうやって取ろうかな。
とりあえず、カメラを入れてモニターに映し出す。
そして、患者さんを含めみんなでのぞき込む。
ライブ中継である。
こりゃ、クモみたいですね。(画像では下の部分が頭、逆立ちしている)
「ありゃ、あそこ、口んとこ、動いとるね。」
さすが、戦前生まれの女性は肝がすわっている。
いま、自分の耳の中にいる虫をみて冷静にコメントしてます。
「なんで、ワタシの耳に入っちゃったんでしょうね。」
いやあそれは、専門医でもワカリマセン。
手足が動かないのはやや外耳道が腫れて完全に身動きが取れない状態だからで
クモ自身が弱っているわけではないようだ。
いろいろ考えて顕微鏡下に吸引で取ることに。
適当な太さの吸引管を選び、無事捕獲に成功。
スタッフの紗妃ちゃんの持ったティッシュにうつすとクモはまだ元気に生きていた。
殺すのもかわいそうなのでワタシが窓開けて外に逃がしてあげました。
春風に乗って飛んでいったクモくん、もうヒトの耳に入るんじゃないぞー。
(いや、めったに入らないって・・・・)


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